PROFILE: 蓑輪光浩/「ゴールドウイン」事業本部 ゴールドウインマーケティング部長

AIの進化や経済格差など、2030年代に向けてスポーツはさまざまな変化に直面している。一方で、アスリートの挑戦に心を動かされ、仲間や地域とつながり、自然と向き合う体験には、スポーツならではの価値がある。ファッションやカルチャーとの融合も進む中、スポーツの可能性はどこへ向かうのか。「ゴールドウイン(GOLDWIN)」の蓑輪光浩事業本部マーケティング部長に、スポーツの課題とブランドの役割を聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2026年10月26日号からの抜粋です)
理念や文化、地域と融合し
スポーツの役割は進化する
WWD:これまでさまざまな企業でスポーツマーケティングに携わってきた。キャリアを通じて、スポーツをどのような存在と捉えているか。
蓑輪光浩ゴールドウインマーケティング部長(以下、蓑輪):今までサッカーやランニング、テニスからゴールドウインでのスキーやトレイルランニングなど、さまざまなスポーツに携わってきた。どのスポーツでも、少しでも速く走りたい、遠くまで行きたいといった、限界に挑戦する人間の好奇心が出発点にある。その好奇心を追求するアスリートとそれを支えるコーチがいて、応援する人がスタジアムに足を運ぶ。体を使った営みが、関わる多くの人の感情を揺り動かすところにスポーツの本質がある。
WWD:AIが映像や音楽などのクリエイションに入り込む2030年代には、スポーツはどういった存在になるのか。
蓑輪:サッカーや野球では点が入った瞬間、隣に座っている見ず知らずの人と抱き合うことがある。音楽にも近い体験はあるが、同じ空間を共有することで感情が高まっていく面白さがある。AIは、最適解を求めるものだと考えている。AIや測定機の発展によってデータ分析は進化し、PKでどちらに蹴る確率が高いか、スキーで最適な入射角はなんなのかといった予測の精度は上がる。しかし、必ずしも予測通りになるわけではない。最適解を超えるプレーや期待を裏切る大逆転は人生の魅力にも通じる。
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