
ジュエリー業界は2030年代に向けて、大きな転換期を迎えそうだ。ラボグロウンダイヤモンド(以下、ラボグロウン)の出現により、ダイヤモンド市場がどう変化していくかに注目が集まる。また、トレーサビリティーが重要視されるようになり、宝石や地金の調達、製造、販売までを可視化する動きが見られる。ダイヤモンドと地金にフォーカスし、宝石学の世界的権威であるGIA(米国宝石学会)と日本リファインメタル協会に未来の動向について聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2026年10月26日号からの抜粋です)
PROFILE: 髙田力/GIA Tokyoシニア・ディレクター アジア市場戦略統括

天然ダイヤモンドとラボグロウンは“別の市場”を確立
WWD:2030年代にダイヤモンドに対する消費者の価値観はどう変化する?
髙田力シニア・ディレクター(以下、髙田):ラボグロウンが出てきた当初は、市場に混乱が見られたが、消費者の間で天然とラボグロウンの違いが認識されつつある。理解がさらに進み、天然、ラボグロウンはそれぞれ別の市場が確立されていくだろう。
WWD:ラボグロウンは天然の代替品になるか?
髙田:天然は鉱山で採掘され、ラボグロウンは工場で製造されたもので、組成は同じだが出自が全く異なる。そのためラボグロウンを単なる天然の代替品とは捉えられない。宝石=鉱物という希少性か、ラボグロウンの安価な価格を優先するのか、消費者がどちらに価値を見いだし選択するかが重要なポイントになる。
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