
1932年(昭和7年)に東京・日本橋の百貨店「白木屋」で死者14人、負傷者67人の大火事が起こりました。この火災は日本で初めての近代高層建築(8階建て)の火災であると同時に、日本人の服装に大きな影響を与えました。
こんな話を聞いたことがありませんか。
昭和初期の女性は着物を着るのが当たり前で、下着(パンツ)をはく習慣がなかった。白木屋の火災では燃え盛るビルの窓からロープで下に逃げる際、着物の裾がはだけて下半身があらわになることを女性が恥じて、避難の足枷になった。この惨劇によって女性は洋風の下着を身につけるべき、服装も動きやすい洋服にすべきという世論になった――。
近年の検証によると、半分は誇張で半分は事実のようです。
着物の裾がはだけるのを恥ずかしがって避難が遅れたというのは、ウソとはいえないまでも当時の新聞によるかなりの誇張だったらしい。一方で、火災と下着がセンセーショナルに報じられたため、下着を含めた洋装化に拍車がかかったのは事実のようです(本格的に大衆が洋装化するのは戦後)。白木屋をはじめ他の百貨店も女性店員の制服を洋装に改めます。日本人が動きやすい合理的な洋服を選ぶきっかけになりました。
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