
2026年春夏に向けた各ブランドの提案では、シャツの存在感が確かに高まっていた。素材やシルエットの更新に加え、着こなしの幅を広げるアイテムが多方面から登場。展示会取材や各ブランドへのヒアリングから見えてきた来季ならではの変化を、8つの視点から整理する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年12月8日号からの抜粋です)

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リアルクローズでも
広がるリゾートムード

今シーズンは、リアルクローズブランドでも、エキゾチックなリゾート地を思い描き、現地の色や柄、スタイルと、自分達の定番をミックスしようとする流れが目立っている。例えば「タケオキクチ(TAKEO KIKUCHI)」は、フランスとオリエンタルな文化が入り混じるマラケシュをテーマに、異国の幾何学パターンをフレンチアイビーのアクセントとして取り入れた。リーフや、モロッコのタイルにインスピレーションを得たジオメトリック柄をシャツなどにプラス。
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手仕事感×フォークロア
が添える温もり

職人のハンドステッチによる刺しゅうや手織りの質感、そして世界各国の伝統意匠を思わせるフォークロアの要素を感じさせる提案が多く見られた。こうした“手仕事感”や、さまざまな文化的背景を想起させる“フォークロア”は、素材の質感や柄の配置に揺らぎを生み、独自の表情を演出する。ファストファッション的な量産性や均質性から距離をとり、服に物語や人の手の温もりを宿らせるアプローチが広がっている。
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