ファッション
連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第219回

「ステイプル」「ワードローブ」「リチュアル」そして「スタイル」という言葉の共通点

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「ステイプル」「ワードローブ」「リチュアル」そして「スタイル」という言葉の共通点

「ステイプル」と「ワードローブ」。

最近、この2つの言葉をよく使っています。理由は、多くのデザイナーが口にするから(笑)。まるで数年前の「アティチュード」のようです。あるときは一斉に、あるときはジワリジワリと多くのデザイナーが同じ言葉を呟き出すシーンを何度か目撃していますが、そんなときはまずは取り入れてみて、その意味を考えたり、どんな文脈で使うべきなのかに思いを馳せたりすることは、自分自身をアップデートするのに役立つと思っています。

私のChatGPTに「stapleってどんな意味?」と聞くと、「『主要なもの』『定番』『欠かせないもの』というニュアンスです」との答えが返ってきます。提示してくれた例文は、「Rice is a staple food in Japan. (日本では米が主食です)」や「Denim is a fashion staple. (デニムはファッションの定番です)」「Coffee is a staple of office life. (コーヒーはオフィス生活に欠かせません)」「A staple piece in every wardrobe. (どんなワードローブにも欠かせない定番アイテム)」「This is a staple beauty product. (これは美容のマストアイテム)」など、私の仕事を存分に意識してくれて感謝なのですが、いまいちスッキリしません。

そんな中、先日「WWDJAPAN」のトレンドセミナーにご登壇くださいました小山逸生「アマノジャク(AMANOJAK.)」ディレクターさんが、インスタグラムで「ステイプル」の意味を見事にひも解いてくれて、ChatGPTでは解決できなかったモヤモヤが瞬時に晴れました。小山さんは、「ステイプルは、単なる定番や普遍的な商品という意味ではなく、ブランドやデザイナーの美学が滲み出ているというニュアンスが重要なのでは」的なことをストーリーズで発信してくれました。ま・さ・に!さすがはデザイナーの美学を反映した買い付けを目指している優良店でございます。だからこそデザイナーは、「ベーシック」や「エターナル」ではなく、「ステイプル」という言葉を使うのだと思います。

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