ブランドリユース最大手のコメ兵は、大阪・心斎橋筋商店街に旗艦店「コメヒョウ大阪心斎橋(KOMEHYO OSAKA SHINSAIBASHI)」を6月11日に開業した。同時に徒歩圏内にある「コメヒョウ心斎橋」をリニューアルし、心斎橋は2店舗体制で存在感を高めていく。旗艦店の初年度売り上げ目標は30億円。うち免税売上は7割程度を見込む。インバウンド激戦区の心斎橋で何を目指すのか。コメ兵ホールディングス(HD)の石原卓児社長を直撃した。
心斎橋筋商店街に面した旗艦店は3フロア構成で売り場面積約747平方メートル。外観には外国人観光客に日本らしさを印象づける桜色を採用し、エントランスでは新しいイメージキャラクターの「ヒョウさん」が出迎える。巨大な立体看板や看板人形が多いミナミならではの演出だ。記憶に残る外観デザインにすることで再訪しやすくし、関西でのブランド認知度アップを狙った。
石原社長は「心斎橋は、大阪の玄関口として国内外の旅行客が多い商業エリア。ここにインパクトのある旗艦店を出すことで、インバウンドはもちろんまだコメ兵を使ったことのない国内客とも新たな接点が生まれる」と期待を寄せる。
1~2階は「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「シャネル(CHANEL)」「エルメス(HERMES)」などの定番ラグジュアリーブランドのバッグを中心にアパレル、ジュエリー、時計など約5000点をそろえる。平均価格帯は20万~30万円。初めての顧客でも気軽に手に取れるよう1万円台のジュエリーから5000万円の高級時計まで幅広く取り扱っている。既存店とは異なり、圧縮陳列にすることで在庫量の多さと宝探し感覚で買い物体験できる楽しさをアピールする。
3階の買取フロアは、従来の対面式カウンターとは異なり、スタッフの斜め向かいに座る設計にすることで、初めてでも安心して査定を依頼できるように工夫した。買取担当スタッフは社内の専門資格を取得した鑑定士に限定し、各商材の専門担当が対応。買取品は愛知県の流通センターに集約され、状態確認とメンテナンスを経て、各店舗へ最適な商品が振り分けられるという。
日本のリユース品は「Checked In Japan」と言われ、外国人客からも安心して買える商品と高く評価されている。中でも同社では鑑定士による「目利き力」に加え、真贋AIを活用した厳しい商品チェックが顧客の信頼につながっている。「売る側も買う側も安心できる仕組みを整えてきた。その信頼があるからこそ、外国人観光客からも評価を得られている」と石原社長は自信を見せる。
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