
近年毎年2ケタ成長している日本のフレグランス市場。コロナを機に拡大した市場は、ブランドが増えて多様化が進んでいる。そんな中、メジャー・ニッチ問わず多くのブランドがプレミアム商品に注力している。香りの持続性が長い“インテンス”が代表的だが、ブランドの世界観をより深く表現した複雑な香りや特別感のあるパッケージで通常のラインと差別化を図っている。業界4社にプレミアム化が進む市場について聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年6月23日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
コティジャパン(COTY JAPAN)

島田浩/コティジャパン プレステージ営業本部長
BRAND LIST
「グッチ(GUCCI)」「バーバリー(BURBERRY)」「クロエ(CHLOE)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」「カルバン クライン(CALVIN KLEIN)」「ボス(BOSS)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「ティファニー(TIFFANY & CO.)」
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プレミアム商品でブランドの付加価値を最大化
フレグランス大手コティは、「グッチ」や「バーバリー」など認知度の高いブランドの香水を手掛けている。それらブランドを擁するグローバルプレステージ部門の2024年度の売上高は、前年比13%増で全体の6割以上を占める。同社のプレミアムカテゴリー強化は顕著で、今年、「ジル サンダー」初のプレステージフレグランスや「バーバリー」のウルトラプレミアムラインを発売した。日本のディストリビューションは現在ブルーベル・ジャパンが行っているが、7月からはコティジャパンが直接、輸入販売をスタートする。
コティジャパンの島田浩プレステージ営業本部長は、「世界的にプレミアム商品が好調。直接輸入販売することで、日本市場のニーズに応えたい」と語る。ダイレクトビジネスの目的は、エリアやチャネルの開拓やオムニチャネル戦略を加速し、より多くの消費者と接点を持つことだ。島田部長は、「憧れのブランドの価値観を感じてもらうのが大切。プレミアム商品は、香りはもちろん、プレミアムだからこそ語れるストーリーがあり、ブランドの付加価値をより色濃く表現できる」と話す。プレミアム商品を手に取ってもらうことで、“私だけの”といった優越感を感じてもらいたいという。7月以降、売り場環境を整え、特別な顧客体験の提供によりブランドの付加価値を最大化していくようだ。
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