ビューティ
特集 サステナブルビューティーー農業と化粧品産業 第9回 / 全12回

「スリー」が地域共創で開く、“顔の見える原料作り”

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トレーサビリティー

アクロが展開する「スリー(THREE)」は熊本県南阿蘇村で原料開発の起点となる試験圃場「スリー バース」プロジェクトを2024年4月に本格始動した。精油や植物を通じて地域社会と新たな価値の創出・発信することが目的のホリスティックリサーチセンターは、22年に設立。同センターを中核とし、佐賀県唐津市にも活動を広げる本プロジェクトの狙いは、単なる農業参入にとどまらない。目的は、原料の“出自”を可視化し、化粧品のトレーサビリティーを根本から再構築することにある。(この記事は「WWDJAPAN」2025年5月26日号付録「WWDBEAUTY」から抜粋・加筆しています)

アクロ

地図

農地住所:佐賀県唐津市鎮西町周辺、玄海町周辺
農地面積:約1万9800平方メートル
栽培品種:ローズマリー、ティーツリーなど全10種
展開ブランド:「スリー」

自社で植物を育て、
精油を作るという決断

「スリー」が農業に関わるようになったきっかけは、19年の中国市場における電子商取引法の制定と、それに伴う転売需要の影響だった。「このままではブランドとしての本質が失われる」(佐井賢太郎スリー ホリスティックリサーチセンター センター長)と社内で危機感が高まり、ブランドの核であるホリスティックケアの象徴である精油にあらためて立ち返った。「精油は、自分の言葉で熱を持って語れなければならない」。その思想を実現するには、自社で植物から育てるしかないと決断。精油は1kgの植物から数gしか得られない希少な原料であり、品質と安定供給を両立するには本格的な農業が必要だった。

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