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ゼニア、24年は増収減益 「トム フォード」ファッション事業が33%増収と好調

エルメネジルド ゼニア グループ(ERMENEGILDO ZEGNA GROUP以下、ゼニア)の2024年12月期決算は、売上高が前期比2.2%増の19億4664万ユーロ(約3134億円)、営業利益は同19.8%減の1億6685万ユーロ(約268億円)、純利益は同33.0%減の9086万ユーロ(約146億円)の増収減益だった。

同社によれば、純利益が大幅に減少した要因として、販管費やマーケティング費用の増大のほか、非課税所得の比率が高かった23年度には20%だった実効税率が24年度には30%に上昇したことがあるという。

「トム フォード」のファッション事業が好調

地域別での売上高は、EMEA(欧州・中東・アフリカ)が同3.3%増の6億8025万ユーロ(約1095億円)、南北アメリカは同15.4%増の5億2479万ユーロ(約844億円)、中国を除くアジア太平洋地域(日本を含む)は同19.4%増の2億2987万ユーロ(約370億円)と増収だったが、景気停滞が続く中国(大中華圏)は同14.5%減の5億937万ユーロ(約820億円)と減収だった。販売チャネル別では、小売が同9.9%増の13億9067万ユーロ(約2238億円)、卸は同12.2%減の4億227万ユーロ(約647億円)だった。

ブランド別に見ると、主力の「ゼニア(ZEGNA)」が同4.9%増の11億6372万ユーロ(約1873億円)、「トム ブラウン(THOM BROWNE)」は同16.8%減の3億1471万ユーロ(約506億円)だった。「トム フォード(TOM FORD)」 のファッション事業は、同33.5%増の3億1451万ユーロ(約506億円)と大幅に業績を伸ばした。なお、24年9月に同ブランドに加わったハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)新クリエイティブ・ディレクターは、25年3月のパリ・ファッション・ウイークでデビューコレクションを披露している。

ジルド・ゼニア会長兼CEOのコメント

ジルド・ゼニア(Gildo Zegna)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「困難な環境下にあった24年も良い結果となりうれしく思っている。『ゼニア』が業績をけん引したほか、厳しいコスト管理やキープロジェクトへの投資などが奏功した。25年も社会情勢などを慎重に見極めつつ、さらなるブランド開発や事業戦略の推進にコミットし、ステークホルダーのために価値を創出していく」と語った。

同氏はまた、アナリスト向けの決算説明会で、27年の売り上げを22億~24億ユーロ(約3542億〜3864億円)と見込んでいることを明らかに。回復が遅れている中国市場については、「25年はマイナスが続くのではないか」との見方を示した。米政府による関税の引き上げについては、「どのような影響があるのかまだ分からない部分も多いが、その都度対応する。当社の(傘下ブランドの)顧客層は、何が起きても回復できると確信している」と述べた。

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