「アディダス ブランドセンター 渋谷」が4月3日、全面改装しリニューアルオープンした。2008年から構える同店は渋谷109も面する交差点に位置し、地下1階〜地上3階の4層で作られた大型路面店だ。昨年春にリニューアルオープンした「アディダス ブランドコアストア 新宿」と同じストアコンセプト「Home of Sport」を採用し、デザインを一新。さらに、取りそろえる商品もパフォーマンスウエアやトレーニングシューズを減らし、「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」などのファッション性の高いアイテムを強化。スポーツを軸としながら、これまでにないトレンド発信地として位置付ける。
ブランドの根幹であるサッカー×ファッションのVMDを強化
新生「アディダス ブランドセンター 渋谷」の大きなポイントは2つ。1つは、1階のサッカーカテゴリーの売り場を拡大したことだ。1970年以降、FIFAワールドカップの公式ボールを提供し、ドイツやアルゼンチン、日本など各国代表チームのユニホームも制作してきた「アディダス」。最新の日本代表ユニホームに加え、世界のサッカーチームのユニホームなどを展開する。
また目新しいのは、ファッション力のあるVMDだ。サッカープレーに特化した店舗もある中で、同店はその強みをライフスタイルやファッションといったテーマとの掛け合わせで提案する。例えば、マネキンはサッカーユニホームを取り入れたスタイル“ブロークコア”を着こなす。ユニホームやランニングシューズに、「アディダス オリジナルス」のトラックスーツやデニム、ニットなど、ストリートトレンドを組み合わせたスポーツミックスのスタイリングがフレッシュに点在する。また、シューズも本格的なスパイクタイプを減らし、人気モデルの“サンバ(SAMBA)”や“スーパースター(SUPERSTAR)”といった日常シーンに使えるフラットタイプを幅広くそろえる。
国内最大規模の「メイド フォー ユー」や注目コレクションの展開も目玉
ポイントのもう1つは、カスタマイズサービス「メイド フォー ユー(MADE FOR YOU)」を国内最大規模で3階に常設した点。ワッペンや転写シートは、ブランドデザインやアルファベットなど豊富なデザインに加え、“しぶや”やハチ公を描いたデザイン、限定のアーティストコラボのデザインなど展開する。コットン製品であれば、店内の商品から自由に選び、自由にレイアウトし、オリジナルのウエアをつくることができる。自分用にもおみやげ・プレゼント用にも最適だ。
また、バスケットボールのアパレルのラインアップを他店よりも拡充したり、日本開発のコレクション「エッセンシャルズ プラス(ESSENTIALS PLUS)」や復刻したテーラードの“プレミアム スーツ”など注目のアイテムを豊富に取り扱ったり、幅広い客層が集う渋谷ならではのMDを構成する。
初日は狙い通りのZ世代の若者や訪日観光客で混雑
リニューアルを記念し、同店では渋谷の街に着想した“サンバ OG シブヤ”(1万7600円)やオリジナルグラフィックを描いたTシャツ(7150円)が登場。オープン初日は、元サッカー日本代表の槙野智章とサッカー好きで知られるあやてんによるトークショーも開催され、旬なスタイリングのディスプレーに目を引く若い世代やシューズエリアに集中する訪日観光客でにぎわった。
渋谷と原宿エリアにおいて、「アディダス」の業態は4店舗ある。「アディダス ブランドセンター レイヤード ミヤシタ パーク」は街をテーマにキッズからコラボレーションラインまで幅広く取り扱い、東急プラザ 表参道原宿にある「アディダス ブランドセンター 原宿」は、ブランドが掲げるサステナビリティの取り組みを体験できるコンセプトを掲げる。キャットストリートには、「アディダス オリジナルス」の東京旗艦店を出店。そして、今回リニューアルした「アディダス ブランドセンター 渋谷」は、トレンドとスポーツのカルチャーをミックスした新拠点として、差別化。渋谷駅近くでZ世代が特に集うエリアの特性を活かし、新たなカルチャーを生む業態として期待する。