
最新コレクションはデザイナーからの、「今はどんな時代で」「そんな時代を生きる人は、洋服に何を求め」「そんな思いを自分たちらしく作ったら、こうなりました。どうでしょう?」という“問いかけ”の舞台だ。デザイナーがバックステージやプレスプレビューで話した言葉をもとに、彼らの“問いかけ”の意味を探りたい。(この記事は「WWDJAPAN」2023年11月13日号からの抜粋です)
ジョルジオ・アルマーニ(GIORGIO ARMANI)
「スタイルなんか関係ない。どんな服を着て、どう振る舞うかだって関係ない。七色に変わり、体の周りで軽やかに揺れる洋服のバイブスは、きっと女性をそんなプレッシャーから解放するだろう。」
マチュー・ブレイジー(MATTHIEU BLAZY)
「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」
クリエイティブ・ディレクター
「ジャック・ケルアックの小説「路上(On the Road)」の『君は、どこかに向かっているのか?それとも、ただ旅しているだけなのか?』という一節に感銘を受けた。あてのない旅をしても良い。それが世界を知るきっかけになる。この質問に『ただ旅をしているだけさ』と答えるのが、今回のコレクションだ。」
マクシミリアン・デイヴィス(MAXIMILIAN DAVIS)
「フェラガモ(FERRAGAMO)」
クリエイティブ・ディレクター
「今シーズンは、軽やかでプレイフル、そして色に溢れたコレクションを作りたかった。」
ルーク・メイヤー(LUKE MEIER)
「ジル サンダー(JIL SANDER)」
クリエイティブ・ディレクター
「洋服作りは、いつも一歩ずつ前進するだけ。使い捨てのコンセプトなんか存在しない。」
イアン・グリフィス(IAN GRIFFITHS)
「マックスマーラ(MAX MARA)」
クリエイティブ・ディレクター
「剣の代わりに(土壌を柔らかくするための)“くさび”を手にして、槍の代わりにはくさりがま。第二次世界大戦下のイギリスで国を守るために戦ったウィメンズ・ランド・アーミーは、まるで花束のようにさまざまな才能が開花した女性たちだった。」
ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)
「プラダ(PRADA)」
共同クリエイティブ・ディレクター
「目指したのは、固体とは思えないほどの流動性。そして『プラダ』を創業したマリオ・プラダ(Mario Prada)のさまざまな文化を解体・再構築する姿勢にも感銘を受けた。そしてミウッチャ(Miuccia Prada)と、『そろそろファミリーのルーツに立ち返るときかもしれない』と考えた。」
ピーター・ホーキングス(PETER HAWKINGS)
「トム フォード(TOM FORD)」
クリエイティブ・ディレクター
「オーバーサイズの時代は、もう終わりだ。やはり美しくないし、体の魅力を引き出さない。ポイントは、シルエットだ。」
ピーター・ドゥ(PETER DO)
「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」
クリエイティブ・ディレクター
「『ヘルムート ラング』を思い出す時、人々が語るのは、自分が着ていた洋服だ。デニムやコートは、人生の一部だった。新しい『ヘルムート ラング』が人々にとって、同じような存在になれば。」
ダニエル・リー(DANIEL LEE)
「バーバリー(BURBERRY)」
チーフ・クリエイティブ・オフィサー
「作りたいのは、人々が着たいと思う洋服。そこに少しのツイストを加えている。『バーバリー』で大事なのは、基本に立ち返ること。軽やかで、落ち着いているから、みんな共感できる。それが、皆が『バーバリー』に望むものだ。トレンチコート同様に美しいスカーフにフォーカスしたかった。トレンチコートに次ぐアイコンにしたい。」
キム・ジョーンズ(KIM JONES)
「フェンディ(FENDI)」
ウィメンズ・アーティスティック・ディレクター
「全てをグラフィカルに仕上げたかった。」
ドナテラ・ヴェルサーチェ(DONATELLA VERSACE)
「ヴェルサーチェ(VERSACE)」
クリエイティブ・ディレクター
「テーラリングには、今回も注力した。ロサンゼルスで開いた(2023-24年秋冬)ファッションショー以来、『ヴェルサーチェ』のジャケットが売れている。だから、さまざまなバリエーションを取り揃えたかった。今回は、ボックスシルエット。だから身動きできるし、ペールトーンのギンガムチェックは新鮮でコンテンポラリー。」
トリー・バーチ(TORY BURCH)
「カオスな世界を想像して、『エフォートレス』の意味を問い直した。どうしたら、心に平穏を取り戻せるんだろう?そこで、『トリー バーチ』にとっては新たな挑戦の軽やかな生地で、新しいプロポーションの洋服作りに挑戦した。皆、カフタンドレスやチュニックを期待したかもしれない。定番も、いつもと違うようにコーディネートできればと考えた。」
マイケル・コース(MICHAEL KORS)
「これまで下着は作ったことがなかったけれど、今回はたくさん作って、販売するつもり。もちろん、今はなんでもオンラインで買える。でも、『マイケル・コース コレクション』の肌が透ける洋服を買った後、下着を買うために何時間もネットサーフィンするなんてバカバカしいと思わない?だったら一緒に作って、送っちゃえばいい。」