ファッション

「サンローラン」2015-16年秋冬パリ エディ流パンクの楽しみ方

 ショーが始まる直前、巨大なランウエイが丸ごとクレーンで持ち上がりランウエイの下に仕込んだ大量のスピーカーが登場。そしてまたすぐ元に戻戻り、爆音とともにショーがスタートした。まるで男の子が自慢のオーディオシステムを友だちに見せびらかすような演出は微笑ましいが、そのスケールは微笑ましいどころか大迫力でスーパーラグジュアリーだ。ランウエイはエディ・スリマンにとって恐らく、パリコレという舞台の中で作り出す架空のストリート。音楽とともにそのストリートに新たなコミュニティーを創出する。

 デンマークのインディーズ・ガールズバンドThe Felinesが書き下ろしたオリジナル曲「プリティー・ボーイ」をバックに、エディが今回フォーカスしたのはパンクロック。音楽を重んじるエディだが、「サンローラン(SAINT LAURENT)」でパンクをピックアップしたのはこれが初めてだという。前身頃にシルバーの装飾が光るドレスはよく見れば1000個近い安全ピンをびっしりと留めている。使う素材はカジュアルだがその手法はクチュール。ギラギラと光るパンキッシュなドレスも近くで見れば極小のスパンコールをびっしりと手で縫い付けていることがわかる。

 シグニチャーのアイテムもパンク&フェティッシュにアップデートしており、例えばレザーのライダースにはボンテージのようなディテールをプラス。足元はスパイクを飾ったシューズで、耳には安全ピンのピアスが揺れる。

 メンズとウィメンズの共存はいつもながらだが、今季はよりガーリーな顔をのぞかせている。“カーディガン・ジャケット”と呼ぶボーイフレンドに借りたような肩パッド入りのロングジャケットには、大きなリボンを飾ってパニエを入れた“プロム・ドレス”をコーディネート。スカートの丈がこれまでより少しだけ長くなっているのもニュースだ。口紅柄などのモチーフは、米国のピンナップガールのペティ・ペイジから。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

韓国ブランドの強さに迫る 空間と体験、行き渡る美意識

日本の若者の間で韓国ブランドの存在感が増しています。K- POP ブームが追い風ですが、それだけでは説明できない勢い。本特集では、アジアや世界で存在感を示すKブランドや現地の人気ショップの取材から、近年の韓国ブランドの強さの理由に迫ります。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。