ビジネス

「トミー ヒルフィガー」から“循環型”ジーンズ 商品に廃棄以外の未来

 「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は、より丈夫でリサイクルが可能な“循環型”ジーンズを限られた店舗とECで発売した。商品は、サステナブルなジーンズ開発をリードするエレン・マッカーサー財団ジーンズ・リデザイン(Ellen MacArthur Foundation Jeans Redesign)プロジェクトへの参加により実現した。

 ジーンズ5型とデニムジャケット2型で、耐久性や素材にこだわり、リサイクル可能であることや、商品の生産から廃棄までを開示するトレーサビリティー(追跡可能性)を考慮して作られた。100%オーガニックの生地の使用に加えて、ボタンは取り外しが可能で、一般的に金属が使われるリベット(留め具)は補強ステッチで代用。金属ファスナーやレザーパッチも取り除いてよりリサイクル・再利用しやすく設計した。各アイテムのポケットには洗濯や手入れに関する説明を明記し、アイテムの修理や寄付、リサイクル方法へのアドバイスも加えた。

 マーティン・ハーグマン(Martijn Hagman)=トミー ヒルフィガー グローバル・PVHヨーロッパ最高経営責任者は、「われわれには大手ファッションブランドの一つとして、循環型経済への移行を推進する責任がある。循環型ファッションを実現するには、バリューチェーン(価値連鎖)の再考が必要だ。今回生まれたアイテムのそれぞれは、デザインと製造の両チームによる高い専門知識と技術があってのもの。完全な循環型ファッションに向けた一歩だ」と語った。

 フランソワ・ソシェ(Francois Souchet)=エレン・マッカーサー財団 循環型繊維イニシアチブ リードは、「『トミー ヒルフィガー』はデニム業界のリーダー的存在で、当初から『ジーンズ・リデザイン』プロジェクトに賛同していた。今回実際にプロジェクトに沿って商品開発を手掛け、業界全体にファッションの向かうべき方向を提示した。好きな洋服をただ廃棄しないで済む循環型ファッションの実現に向けて動き出したことにワクワクする」と述べた。

 「トミー ヒルフィガー」はほかにも、デザイナーの80%以上に循環型デザインについて教育しており、消費者から使用済みの商品を受け取って新品同様に整え再販する循環型ビジネスモデル「トミー フォー ライフ(Tommy For Life)」も立ち上げている。大手企業の中でいち早く100%リサイクルコットンを取り入れ、使用する水とエネルギーを削減。環境負担が少ないとされるジーンズをこれまでに200万枚以上生産している。

 2020年8月には「メイク イット ポッシブル(Make It Possible)」プログラムを立ち上げ、30年に向けた循環性と包括性に関する24の目標を設定した。“何も捨てず、何でも受け入れる(Wastes Nothing and Welcomes All)”ことをミッションに、環境と社会の両方の観点からサステナビリティに取り組んでいる。

最新号紹介

WWD JAPAN

注目高まる新50〜60代市場 “主役世代”の消費はこうつかめ!

「WWDJAPAN」5月10日号は、「注目の新50〜60代市場」特集です。日本女性の過半数が50歳以上となった今、50〜60代は消費の“主役”として存在感を増しています。子育て期などを経て、再び人生を“主役”として謳歌する世代でもあります。そんな50〜60代を「WWDJAPAN」は“主役世代”と命名し、このマーケットに刺さるビジネスを取材しました。3人の“主役世代”女性による座談会のほか、シニアに…

詳細/購入はこちら