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性的暴行疑惑のアレキサンダー・ワン、さらなる告発者が現れる 被害者らは訴訟準備か

 アレキサンダー・ワン(Alexander Wang)からセクシャルハラスメントを受けたとして、ニューヨークに住む21歳の男子美術学生が英BBCニュースで告発した。ワンに対する同様の告発は2020年12月から相次いでおり、ワンは一連の内容について否定しているが、今回の件についてはいまだ沈黙している。

 事の発端は、12月28日にモデル兼グラフィックデザイナーのオーウェン・ムーニー(Owen Mooney)が、17年にニューヨークのクラブで有名な男性デザイナーに局部などを触られたと告発する動画を投稿したことだ。その際、加害者の名前は伏せられていたが、「ワンに対する同様の告発を見たことがある。ワンではないか?」とのコメントが寄せられ、ムーニーは次の投稿で相手がワンだったことを公表した。

 この告発をファッション業界の動向を監視する有名アカウント、ダイエット プラダ(Diet Prada)とシット・モデル・マネジメント(Shit Model Management)が拡散し、「アレキサンダー・ワンから性的暴行を受けたり、薬物やアルコールを強要されたという匿名の訴えが複数ある」とインスタグラム(Instagram)に投稿したことから、SNSを中心にワンに対する批判の声が高まった。同月29日には、モデルの人権を守る団体ザ・モデル・アライアンス(THE MODEL ALLIANCE)が被害者の訴えを支持すると表明し、訴訟を起こすための支援が必要であれば提供すると発表した。

 こうした告発に対して、ワンの広報担当者は当初コメントを控えるとしていたが、同月31日にワン自身による声明が現地メディアを通じて発表された。「ここ数日、私は事実無根で誤った内容の告発を受けている。これらの主張は、非公開もしくは匿名のアカウントを情報源とした中傷的で証拠のない内容を、事実を確認せずに投稿することで悪名高いアカウントによって増幅されてしまった。こうした嘘が本当だとして広められたことを本当に腹立たしく思っている。書かれているような恐ろしい行為はしたことがないし、今後もすることはない。私は真相を突き止め、このような訴えを悪意を持ってオンライン上で拡散した人間に責任を取らせるつもりだ」と、疑いを完全に否定する内容だった。

 しかし、その後もトランスジェンダーモデルで俳優のジア・ガリソン(Gia Garison)のように実名で名乗り出る被害者が複数人現れている。このためか、ワンは1月4日に自身のインスタグラムにあらためて一連の告発が事実無根であることを投稿した。なお、今回19年に被害を受けたとして告発した男子美術学生も、キートン・ブレン(Keaton Bullen)と実名を明らかにしている。

 1月4日には、リサ・ブルーム(Lisa Bloom)弁護士が被害者らの代理人を務めることを発表した。同氏は2月24日、「現段階で11人の被害者の代理人となっている。複数の目撃者や情報提供者からの連絡もある。訴訟を起こすかどうかについてはまだ明らかにできないが、数週間後に何らかの発表をする予定だ」と述べた。

 本件についてワンの代理人となっているPR会社ヒルチック・ストラテジーズ(HILTZIK STRATEGIES)やワンの弁護士らは、コメントを差し控えるとしている。

 ワンは台湾系アメリカ人で、1983年にサンフランシスコで生まれた。2005年に自身のブランド「アレキサンダー ワン」を設立し、07年にニューヨーク・ファッション・ウイークで初コレクションを発表。12~15年には「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のクリエイティブ・ディレクターを務めた。その後も「アディダス(ADIDAS)」「ユニクロ(UNIQLO)」「ブルガリ(BVLGARI)」など、さまざまなブランドとのコラボレーションを行っている。

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