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「コンバース」とコラボしたリック・オウエンスが語る “スニーカー愛と破壊の美”

 「リック・オウエンス(RICK OWENS)」は2021-22年秋冬コレクションで、ディフュージョンラインの“ダークシャドウ(DRKSHDW)”と「コンバース(CONVERSE)」が協業したスニーカー“ターボダーク チャック 70(TURBODRK CHUCK 70)”を発表した。

 これは「コンバース」のアイコン的なモデル、“チャックテイラー(CHUCK TAYLOR)”をベースにしたもので、スクエア型のトゥとトゥキャップが特徴的だ。また「リック・オウエンス」のスニーカーに見られる長いシュータンが採用されており、そこには“ダークシャドウ”を象徴するモチーフであるペンタグラム(五芒星)が付けられている。男女兼用で、価格は165~170ドル(約1万6900〜1万7500円)の予定。発売時期は今のところ発表されていない。カラーは現在ブラックのみだが、いずれホワイトも発売する。

 「リック・オウエンス」が初めてスニーカーを発表したのは、06年に招待枠で参加したメンズ見本市の「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」でのことで、以降はブランドの人気アイテムの一つとなっている。興味深いのは、オウエンス自身は若い頃からスニーカーの持つ“リラックスした郊外の雰囲気”が好きになれず、ジムで運動をする際にもごついバイカーブーツを履いていたことだ。しかしパンクロックバンドの「ラモーンズ(Ramones)」がバイカージャケットに合わせてスニーカーを履いているのを見て、考えを変えたという。「彼らは『コンバース』の“チャックテイラー”を履いていたんだ。それで好きになり、『コンバース』の要素を取り入れたシューズを何年も作っていたら、今回のコラボレーションを提案された。自然でとてもいい流れだと思ったし、これまで『コンバース』を参考にした作品を発表してもうるさく言わずにいてくれたことへの思いもあり、協業することにした」と語った。

 コンバースのブランディス・ラッセル(Brandis Russell)=フットウエア部門グローバル・バイス・プレジデントは、「コラボレーションの目的は既成概念を破り、先進的なフィットやフォーム、機能性を追求することだが、リックはそうしたことの名人だ。彼は恐れることなく従来の型を破壊して、挑戦的な独自の美しさを『コンバース』にもたらしてくれた」と述べた。同社が四角いトゥのスニーカーを発売するのは、1908年の創業以来、初めてのことだという。

 オウエンスは、「私がデザインするスニーカーは、誇張されて仰々しく、少しグロテスクでもある。私は既存のものを壊したいと考えているが、それは完璧な美、もしくは伝統的な美の基準は非常に厳しく、そこから外れるものにとっては残酷だと思うからだ。(美の基準の)限界を押し広げることは、異なるアイデアを許容することを意味する」と説明した。

 「コンバース」はこれまでもさまざまな協業を行っており、2021年春夏シーズンには多くのブランドやデザイナーと組んで“スペシャルコラボ”を行うという。現時点で名前が挙げられているのは、キム・ジョーンズ(Kim Jones)のほか、「プレイ・コム デ ギャルソン(PLAY COMME DES GARCONS)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」「テルファー(TELFAR)」など。

 オウエンスはここ数年、「アディダス(ADIDAS)」「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」「モンクレール(MONCLER)」「チャンピオン(CHAMPION)」などと協業しているが、以前はコラボレーションを嫌っていたという。「キッチンに何人もシェフがいて、多数決で物事を決めるようなやり方は性に合わない。それに、コラボは“ハイプ(熱狂)”を煽るためだけのものだと思っていた。しかし、これは新たな人々と出会う素晴らしい方法だと気づいたんだ。ほかの人たちがどういうふうに仕事をするのかを間近で見られるし、いつもとは違うチームで仕事をするのも刺激的で楽しい。否応なく新しいことに挑戦するようになるので、協業はとても健全なことだと思う」とオウエンスは話し、最後に付け加えた。

 「とはいえ、自分にとって意味がある相手としか協業をしようとは思わないし、そもそもやってみようという気になったのもここ数年とかなり遅い。まあ、昔に比べれば私も随分フレンドリーになったからね」。

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