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「プラダ」2016年春夏ミラノ・メンズ・コレクション

REPORT

過去5年の集大成!?「エフォートレス」「ノー・ジェンダー」「ユニフォーム」と気になるワードが盛りだくさん

「プラダ」の2016年春夏メンズは、過去5年で1つずつ発表してきたアイデアの総決算のよう。ノー・ジェンダーにエフォートレス、ユニフォーム、そしてミニマリズムなど、今気になるキーワードを網羅したようなコレクションだ。

半年前に発表した、性差を超越したスタイルについては、今シーズンも一番色濃く、コレクションの根底に流れている。ファーストルックは、極薄のナイロンのようにエアリーな素材で作った、ドロップショルダーでオーバーサイズ気味のシャツ。今季しばしば登場するキーアイテムの1つだが、同じ商品は同時に発表したウィメンズのプレ・コレクションでも、ウィメンズモデルがローブのようなコートの下に着るなど、1着の洋服が男女双方で兼用できるようなムードに溢れている。話をメンズのファーストルックに戻せば、合わせたショートパンツは、股下がほとんどない、つまり、パンツの足が2本にわかれているのがほとんど認識できない作り。そこに足を突っ込んで歩く姿は、まるでミニスカートを履きこなす男子のようだ。ショートパンツはチェスターコートを羽織ると完全に姿を消してしまうほどのショート丈。ボトムスが見えないスタイルの男子は、後ろから見ると、まるでワンピース姿のようだ。

こんなノー・ジェンダーの世界に加えたのは、13-14年秋冬コレクションで発表したような、だらしないくらいにハズした肩の力が抜けたムード。上述したシャツはなんとなく裾をパンツにインしたくらいだし、そもそも長すぎる袖は、モデルたちの手首でクシュクシュにすぼまって、直したくなってしまうほど。レイヤードしたインナーがすべて手首や腰の周りでクシュクシュになっているため、ここに不思議なボリュームが生まれている。後半には、レザーのブルゾンを後ろにズラしてデコルテ周りを思いっきり見せるスタイリングが男女双方で登場し、同じシーズンのウィメンズ・コレクションを彷彿とさせる。コレクションは、ロケットやウサギ、目玉、それに矢印やバツのマークなどの意味深な記号など、さまざまなモチーフに溢れたニットやスイングトップに目を奪われがちだが、一方でジャケットやシャツはステッチワークだけがデザインの要素となったミニマリズム。15年春夏の再来を思わせる。序盤は、F1のドライバーやコックピットで働く男たちにインスピレーションを得た、作業着のムードでユニフォーム性も高い。ユニフォームと言えば、13年春夏メンズにはテニスのユニフォームを思わせるスポーティーなスタイルを発表していた。

自身の過去のアイデアをリミックスし、現代に甦らせるのはミウッチャ・プラダにとって定番のアプローチ。今季は、ほんの数年前のものさえ、リミックスすれば、さらに良いものが生まれると言うアイデアに基づくものだったのかもしれない。

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