ファッション

投票を促進する米ファッション・ビューティ企業まとめ 選挙に要する時間を有給に

 11月3日に行われるアメリカ大統領選挙に向けて、多くのファッション・ビューティ企業は自社の従業員が選挙に行きやすい環境を整えている。バラエティー豊かな「VOTE(投票)」グッズも登場しているが、従業員に有給休暇を与えることで選挙に行く時間を確保したり、投票所係員としてボランティアを行うことも推奨している。

 “タイム・トゥー・ヴォート(Time to Vote)”と題した投票時間への給与支払いを行うことで選挙に行くことを促す動きは、米リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS & CO.以下、リーバイス)とパタゴニア(PATAGONIA)、ペイパル(PAYPAL)が開始し、他の企業にも広く呼びかけを行った。2020年は1000を超える企業が賛同の意を表明して実行に移している。全日の有給休暇だけでなく、多くの企業は勤務時間の中から数時間を投票時間に当てられるよう、その分の時給を支払うことを決めている。

 選挙に向けて10月15日に予定されていた第2回討論会は中止になり、民主党候補のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領と共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は有権者からの質問に回答するタウンホール形式の集会を同時間帯にテレビ中継した。22日には両者最後の顔合わせとなる第3回討論会が行われた。ここでは、投票日当日に選挙に行くことを促進するファッション・ビューティ企業と、その取り組み内容をまとめる。

オールバーズ
 サンフランシスコ発のシューズ企業オールバーズ(ALLBIRDS)は、米チーム全体に向けて選挙に行ける無期限の時間を提供する。また、ボランティア休暇制度を使用して投票所係員を務めることもできる。

ベネフィット
 ベネフィット・コスメティクス(BENEFIT COSMETICS)は投票日当日のアメリカオフィスを閉じ、社内従業員や外勤職員全員に有給休暇を与える。店頭の販売スタッフは投票に行くために勤務時間から3時間を与えられ、その分の給与を得る。

ボノボス
 メンズアパレルの「ボノボス(BONOBOS)」は、投票日に予定されている会議などを全て延期し、従業員が投票に向けて十分な時間が確保できるようにした。さらに3日朝の数時間は店舗とカスタマーサービスも閉じる。

バートン
 バートン(BURTON)は選挙日当日にアメリカのオフィスや店舗を全て閉じる。また選挙に関連したアイテムを発売する。

シャーロット ティルブリー
 ラグジュアリーコスメブランド「シャーロット ティルブリー(CHARLOTTE TILBURY)」は従業員に3時間の投票時間を与え、その時給を払うことで選挙に行くことを促進している。

デッカーズ
 「アグ(UGG)」や「テバ(TEVA)」を擁するデッカーズ(DACKERS)は、2時間の有給を付与する。

ダイアン フォン ファステンバーグ
 「ダイアン フォン ファステンバーグ(DIANE VON FURSTENBERG)」はオフィスを閉じて社員に投票に行くことを促進する。販売員はシフトの開始か終了時に2時間の投票時間と時給が付与される。

エルフ
 コスメブランドの「エルフ(E.L.F)」は、全日の有給休暇を選挙日当日に与える。

エバーレーン
 サンフランシスコ発のオンラインSPA企業エバーレーン(EVERLANE)は、小売業者や社内従業員、販売スタッフ、インターンの全職を対象に有給休暇を選挙日当日に与える。さらに従業員に向けて投票所係員や投票関連の情報を提供している。

ギャップ
 「ギャップ(GAP)」「オールドネイビー(OLD NAVY)」「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」などを擁するギャップ社は、投票日当日に最大3時間分の時給を与える。

グロシエ
 ミレニアル世代に人気のビューティブランド「グロシエ(GLOSSIER)」は、従業員に全日の有給休暇を与えて選挙に行くことを促している。

J.クルー グループ
 10月破産状態から脱したJ.クルー グループ(J.CREW GROUP以下、J.クルー)は、同社擁する「J.クルー」と姉妹ブランド「メイドウェル(MADEWELL)」の全店舗と会社オフィス、物流センター、カスタマーサービスセンターを選挙日に閉じる。また従業員に向けて有識者登録の方法や投票場所、大統領候補者に関する情報を提供している。

J.C.ペニー
 5月に破産法適用申請した米百貨店J.C.ペニー(J.C. PENNEY)も“タイム・トゥー・ヴォート”の動きに賛同しており、選挙日当日は従業員にフレキシブルなスケジュールを提案している。

リーバイ・ストラウス
 米リーバイ・ストラウスは、小売業者や社内従業員に全日の有給休暇を提供する。さらに投票所係員に必要なトレーニングを受ける従業員は時間単位の有給が与えられる。

ルルレモン
 カナダ・バンクーバー発のスポーツウエアブランド「ルルレモン(LULULEMON)」は、選挙日当日は16時に店舗を閉じて投票に向けて時間を確保する。また短縮された労働時間分の給与をカバーする。当日ボランティア活動に参加する従業員にはボランティア休暇を4時間与える。

ナイキ
 ナイキ(NIKE)は州ごとに異なる選挙法に合わせて、有給休暇の提供や選挙日当日に会議を設けないこと、郵送票や期日前投票行う方法の発信に取り組む。

オールドネイビー
 オールドネイビー(OLD NAVY)は従業員を対象にボランティア休暇を設ける。ボランティア活動の参加者は、投票場所からの報酬に加えて8時間分相当の給与を受け取る。

パタゴニア
 2016年と18年に引き続き、パタゴニアは全店舗とオフィス、物流センターの全てを選挙日当日は閉じる。

PVHコープ
 「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」や「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」などを擁するPVHコープ(PVH CORP)は、選挙日当日は会議を一切行わず、アメリカの従業員に最大3時間の時給を与える。また社員にはボランティア休暇も提供し、当日以外のボランティア活動に向けたトレーニング時間もカバーする。

 選挙日当日は店頭の営業時間も短縮し、販売員はその分2時間の時給を与えられる。

ラルフ ローレン
 「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」は選挙日を会社の休日に設定し、全米の社員と物流センターの従業員が選挙に行くよう促進する。販売員も投票のために時間を設けることはいつでも可能で、選挙日当日に働かなければいけない従業員には休日手当がつく。

リフォーメーション
 ロサンゼルス発の「リフォーメーション(REFORMATION)」は、営業時間外での投票が可能でない人には4時間の時給を与える。

サックス・フィフス・アベニュー
 百貨店のサックス・フィフス・アベニューはアメリカにおけるコーポレート・アソシエーションの全てを対象に選挙日当日を有給休暇に設定した。さらに出店者や配送センター、倉庫で働く人も投票ができるようスケジュールを調整する。

 また9月には全米有権者登録の日(National Voter Registration Day)に合わせて、ニューヨークの旗艦店と、オンラインで“レジスター・トゥー・ヴォート・アット・サックス(Register to Vote at Saks)”と題したキャンペーンを行った。音楽を通じて選挙投票を促すNPO団体のヘッドカウント(HeadCount)と連携して選挙に行くよう呼びかけ、ショーウィンドウを装飾した。

ターゲット
 アメリカのスーパーマーケットチェーンのターゲット(TARGET)は、該当する従業員全員に有給を与える。個人単位でアプローチをかけて、全員が投票に行く十分な時間が確保できるよう調整している。

トリー バーチ
 「トリー バーチ(TORY BURCH)」は投票所係員として働く従業員には休日を与える。またアメリカの店舗とオフィスの全てを15時に閉め、物流センターも全日閉める。

アンダーアーマー
 「アンダーアーマー(UNDER ARMOR)」は全米の従業員に3時間の時給を与える。また選挙に関連する教育材料も提供する。

ウォルマート
 米小売大手のウォルマート(WALMART)は、店頭スタッフに最大3時間の時給を与える。

ワービーパーカー
 アイウエアブランドの「ワービーパーカー」は全従業員に有給休暇を与え、投票所ボランティアとして活動することを推奨している。

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