ファッション

楽天と東コレがデザイナー支援でいよいよ本格タッグ キーマン2人が目指すもの

 日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)と楽天は、10月12日から開催する「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」で両者による取り組みを本格始動する。楽天が立ち上げた日本発ブランドの支援プロジェクト「バイアール(by R)」では、「ダブレット(DOUBLET)」と「ファセッタズム(FACETASM)」の「RFWT」でのファッションショー開催を支援する。

 両者は昨年8月に東京ファッション・ウイークの冠スポンサー契約を締結し、わずか2カ月後に「RFWT」が開催された。初回は準備期間がほとんどなかったため、2020年3月開催の第2回に向けて両者は取り組みの準備を水面下で進めていた。しかし新型コロナウイルスの世界的な感拡大を受けて中止を余儀なくされ、いよいよ今回が本格的な協業のスタートとなる。楽天のファッション事業を率いる松村亮執行役員とJFWOの今城薫ディレクターに、10月の「RFWT」にかける思いや今後目指す方向性について聞いた。

「日本のデザイナーの発信と支援を」

WWD:コロナ下で開催される10月の「RFWT」はどのような内容になる?

今城薫JFWOディレクター(以下、今城):昨年のようにリアルのショーを開けない状況のため、現状23ブランドがオンラインで、13ブランドがリアルでの発表を行う予定だ。オンラインでのコレクション配信やSNSの発信など、日本人ならではの丁寧なサポート力を生かしてデジタルを強化していきたい。

WWD:「バイアール」を立ち上げた狙いは?

松村亮・楽天執行役員(以下、松村):日本のデザイナーを応援するのが主たる目的で、物販につなげたいわけではない。具体的な支援内容は公表できないが、東京ファッション・ウイークのタイトルスポンサーとしてはもちろん、世界に出ていくブランドを「バイアール」を通して発信・支援していきたい。「ダブレット」と「ファセッタズム」は6月のパリでコレクションを発表するはずだったが、こういった状況でかなわなかった。今後もグローバルで活躍していくブランドなのにもったいないという観点から、今回はこの2ブランドに自然と決まった。

今城:2ブランドが東京で発表するのはひさしぶりだし、支援する背景も明確だ。ほかのスポンサーと組んで実施する取り組みもあるが、「バイアール」を10月の目玉企画としてアピールしていきたい。ファッション・ウイークの主役は参加ブランドであるべきだ。「バイアール」や8月に「楽天ファッション」内に開いた東コレ参加ブランドの商品を中心に扱う「E-POP UP STORE」など、ブランドを発信するコンテンツを徐々に充実させて強いファッション・ウイークにしていきたい。

「新しいステップに進むべき時期」

WWD:「E-POP UP STORE」の成果は?「バイアール」とともに今後も継続する予定?

松村:想定していた以上にページは見られているが、今後はさらにキュレートしていきたい。コアなファンだけでなく、まずは多くの人にブランドのことを知ってもらうことが次のチャレンジだ。そのためには作り手の思いや背景を伝えることが必要なので、メディア的な役割も担わないといけない。今のようにポップアップを継続するのか常設にするのかは要検討だが、続けるべきことだとは思っている。マスの消費者と「E-POP UP STORE」に出店しているブランドをつなぐことはわれわれのミッションだから。

WWD:JFWOと楽天で東コレをどのようなファッション・ウイークにしていきたい?

今城:ファッションは今や服だけではない。音楽やアート、車などカルチャーの全てがファッションだ。東京はカルチャーに強い街としてこれまでもファッション・ウイークでさまざまなイベントを仕掛けてきたが、スポットでしかなかった。これからはお互いに協力してさらに強化し、継続して色を強めていきたい。世界中でリアルでのファッション・ウイークが再開されているタイミングだからこそ、新しいステップに進むべき時期だと考えている。リアルでのイベント開催はまだ難しいかもしれないが、オンラインで何らかのかたちで表現したい。

松村:われわれもスポンサーとして成長できるサポートをしていきたい。今城さんの言う東京のカルチャーを強く発信していくためには、既存のBtoBの仕組みはベースとしつつも、エンドユーザーを巻き込むことが大事だ。われわれはユーザーとの広いつながりが強みなので、ECなどを通じたさまざまなアプローチでカルチャーを発信できると考えている。「楽天ファッション」は日本を拠点にファッションビジネスを行っているので、日本のファッション産業を成長させていかないといけない。デザイナーズファッションの領域において日本が有力なポジションを維持できるかどうかを考えて、ファッション・ウイークが掲げる理想を実現できるように支援したい。

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