カナダ・バンクーバー発のスポーツウエアブランド「ルルレモン(LULULEMON)」はこのほど、東京・六本木にアジア最大規模となる旗艦店をオープンした。同店を軸にし、日本およびアジアにおけるブランドコミュニティーの拡大を目指す。(この記事はWWDジャパン2020年7月27日号からの抜粋です)
同店は2フロアで構成し、1階の売り場は国内最大の品ぞろえで、アスレチックウエアからオフィスシーンにも対応する日常着までを幅広く用意した。うち4割をメンズアイテムが占めることも特徴だ。2階には“スエットライフハブ”と名付けたコミュニティースペースを設け、誰でも参加ができるヨガクラスやゲストスピーカーを招いた講演会の開催など、多目的に活用していく。
ケン・リー(Ken Lee)=ルルレモン アスレティカ シニアバイスプレジデント(SVP)は「創業者は日本への思い入れが強く、日本でビジネスが成功しなければ世界で通用しないと考えていた。カナダ発のブランドだが、日本で学ぶホスピタリティーや接客、モノに対する意識の高さなどを世界に逆輸入していきたい」と意気込む。なお、同店の売り上げ目標は非公表。
1998年創業の同社は、さまざまなアクティビティーを通した「コトの体験」の提供を重視したユニークなアプローチで欧米を中心にビジネスを拡大してきた。2019年10月時点での店舗数は479店舗で、売上高は約4000億円まで成長。今後は19年に発表した「パワーオブスリー計画」の下、23年までにメンズの売り上げ2倍、デジタルの収益2倍、アジアを含む海外市場の収益4倍の3つに注力。六本木の旗艦店は同計画達成のための重要拠点となる。リーSVPは「日本市場は世界でも珍しく男性からトレンドが発信される特徴がある。感度の高い日本のお客さまからのフィードバックをグローバルな店舗に反映していくことが狙いだ。日本では女性のイメージが強いヨガだが、世界的には男女に人気のスポーツだ。われわれがこれまでの壁を取り払い、誰もが気軽にアクセスできるスポーツとして発信していきたい」という。
同店は当初4月の開業を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で約2カ月延期された。さらに20年2~4月期(第1四半期)は、3月中旬からの北米と欧州の全店舗での一時休業を受け、売上高が前年同期比17%減の6億5200万ドル(約697億円)となった。一方でECの売上高は同68%増の3億5200万ドル(約376億円)と大きく伸びており、今後も実店舗と連携したデジタル戦略を推進し、ECサービスを拡充させていく。ECでの受注から配送までの業務を効率化し、接客をEC上でも体験してもらうために新たに開始したデジタルコンシェルジュサービスが奏功。電話やチャットで顧客からの要望や質問に丁寧に対応し、顧客とのつながりを強化していく。
また国内店舗休業中にはこれまでオフラインで開催していたヨガイベントを公式インスタグラム上で開催し、合計約3万5000人が参加した。ステュワート・テューダー(Stewart Tudor)=ジャパン マネージング・ディレクターは「われわれはコロナ禍でデジタルという新たな武器を手に入れた。六本木の旗艦店とデジタルツールを活用してさらにコミュニティーの規模を拡大していきたい」と手応えを感じている。