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「リフォメーション」創設者兼CEOが辞任 元従業員の人種差別に関する告発を受けて

 ロサンゼルス発のサステナブルなファッションブランド「リフォメーション(REFORMATION)」のヤエル・アフラロ(Yael Aflalo)=リフォメーション創業者兼最高経営責任者(CEO)が元従業員からソーシャルメディア上で人種差別に関する告発を受け、6月12日付で辞任した。後任にはハリ・ボレンスタイン(Hali Borenstein)=リフォメーション社長が就任する予定だ。2009年に元モデルのアフラロ前CEOが設立した「リフォメーション」は、サステナブルな素材の使用や生産方法に重きを置き、ビンテージファッションの要素も取り入れたスタイルでセレブリティやインフルエンサーの人気を多く集めていた。

 辞任のきっかけは5月30日、「リフォメーション」がBLM(Black Lives Matter=黒人の命は大切)運動への寄付をインスタグラムで投稿したこと。これ対し、ブランドの黒人の扱いについての批判が集まり、元従業員の一人がブランドとして発信していることとその実態の間に矛盾があることを明かした。エル・サンティアゴ(Elle Santiago)元アシスタント・ストアマネジャーは、「いつも決まって私と同じか、私以下の能力の白人女性ばかりを採用してきた」と述べ、昇進の機会の不平等さを訴えた。さらに、アフラロ前CEOが自分と目を合わせて話すことは一切なかったと、個人的に接した際の経験にも言及。ブランドビジュアルの多様性を求める声に対して、同ブランドのシニアマネジャー陣が「今はまだその準備が整っていない」と切り捨てたこともあったという。この投稿はインターネット上で広く拡散され、ファッション界の暴露をすることで有名な一般アカウントのダイエット プラダ(Diet Prada、@DietPrada)やさまざまなメディアで取り上げられた。

 この事態を受けて、アフラロ前CEOは6月12日に「情熱と才能にあふれたチームで『リフォメーション』を築き上げられたことは、人生で最も誇りに思うことの一つ。『リフォメーション』は間違いなく、この業界をもっとサステナブルでエシカルで、そして誠実なものに変える上で重要な役割を果たしてきた」と述べつつ、同ブランドのウェブサイトで辞任を表明した。また同日、インスタグラムにも「私は失敗した」と題した声明を投稿し、自身のダイバーシティーへの取り組みは白人目線のものになっていたと振り返るとともに、人種差別の撲滅に取り組む団体に50万ドル(約5350万円)を個人的に寄付すると述べた。

 アフラロ前CEOの辞任のほかにも、ビジネスやメディア、エンターテインメント業界では、白人警察官による黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)氏殺害をきっかけにした人種差別へのアメリカ国内での意識の高まりや世界的な社会正義を求める抗議活動の影響を受け、経営陣の交代が相次いでいる。フィットネス団体のグレッグ・グラスマン(Greg Glassman)=クロスフィット(CROSSFIT)創設者兼CEOはソーシャルメディア上で人種差別を助長する発言をして退社。出版界からは「ヴォーグ(VOGUE)」「GQ」などを擁する米コンデナスト(CONDENAST)のフード雑誌「ボナペティ(BONAPPETIT)」の発行に携わるアダム・ラパポート(Adam Rapoport)編集長が、自身の顔を茶色く塗った写真と差別的な言動がネット上で拡散されたことに関連して辞任した。また同誌が配信する動画のダイバシティーへの取り組みの欠如を指摘され、制作に携わっていたマット・ダッカー(Matt Duckor)副社長兼プログラミング責任者もラパポート編集長に続き辞任した。19年にお笑い芸人の渡辺直美が表紙を務めたことでも知られる米ファッション雑誌の「ザ・カット(THE CUT)」のジェーン・ラークワーシー(Jane Larkworthy)美容ディレクターは、問題とされたラポパート編集長の写真に差別を助長するようなコメントを残したことで停職となっている。

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