ビジネス

先生をアップデート エディターズレターバックナンバー

※この記事は2019年12月13日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

先生をアップデート

  前回のエディターズレターで、まずAIが学ぶ、そして以後AIが判断の基準とする“先生データ”についてお話しましたが、AIでなくても先生というのは大事な存在です。︎

 大学は教育学部。教員養成系ではありませんでしたが、それでも同級生の数人は教員となり、親友は東日本大震災で生徒を守ろうと自らの命を落としました。それは特別な事例ですが、先生って、本当に大変です。

 一番の問題は、忙しすぎてインプットができないことでしょう。そりゃ朝から晩まで、土曜も日曜も仕事では、インプットどころではありません。それはきっと、ファッション系の先生も同じ。でもそれが近年、いよいよマズい事態になっていると思うのです。

 このお手紙では以前も卒業コレクションの審査的なイベントで、「ここの始末、夜まで頑張ったんです~」を評価しようとする先生に対して、「いや、作った子はお針子になるんじゃないんで!」と反対意見を述べたお話をしましたが、ストリート世代のクリエーション、デジタルマーケティング、D2Cやサブスクリプションビジネス、二次流通など、次々に生まれ、大きくなる潮流に対して教えられないのはおろか、重要性を察知しながら何もできていない先生は少なくありません。正直言いますとね、スタイルもアップデートできてない方、多いですよ。

 そんな先生に教えを請う生徒は、不幸です。業界に飛び込む時から、若いのに、新しい考え方を知らないんですから。

  さまざまな業務は、不可避でしょう。それでも、ファッションの最前線に出来る限り積極的に赴くことで知識とスタイルをアップデートしている先生は少なからずいらっしゃいます。難しかったら、外の力を借りれば良いのです。私は喜んで協力するし(本当に)、他にも教壇に立ってくださる方は大勢いらっしゃると思います。

 できることなら、「古くからの知り合い」ではなく、「ご自身が会ってみたい方」に思い切ってアプローチし、口説いてみてはいかがでしょうか?そのチャレンジ精神と、新しきをインプットしなければという危機感、新たな出会いで得た刺激を嬉々として吸収する姿は、きっと生徒にも伝わると思います。

 あ、それと企業側は、産学連携について、せっかく取り組むならもっともっと言いたいことを言うべきだと思います。産学連携は、ビジネスの1つです。ボランティアじゃありません。「こんなんだけど、ま、いっか」と思いながら世に問うてしまう産学連携は、結局実績を伴わず、それが次の産学連携を阻む最大の要因になっていると思いますよ。変な遠慮は、無用です。

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