ファッション

ファッション&ビューティ人材最大手iDAは“最前線”に立つ販売員をどう守る?

 ワールド・モード・ホールディングス(以下、WMH)傘下のiDAは、登録者数約23万人を数えるファッションおよびビューティ人材の最大手だ。困難な状況下で、派遣販売員をどう守るのか?加福真介社長に聞いた。

WWD:iDAで実働する約6000人の派遣販売員のうち、半数にあたる3000~3500人が今なお店頭に立ち続けていると聞いて驚いた。

加福真介ワールド・モード・ホールディングス社長(以下、加福):それはきっと、東京や大阪など大都市を中心に考えているからだろうが、緊急事態宣言が出された都道府県はいまだ限定的であり、一方でわれわれは全国にネットワークを持つ。休業要請が出された都道府県以外ではショップが開店している現実がある。つまり“自宅待機中の保証”に加えて、“店に立ち続けることの不安解消”がわれわれのタスクであり、そのために派遣先企業と交渉を続けている。iDAは約1000社に販売員を派遣しており、派遣先企業の経営状況もさまざまだ。それでも販売員を守るため、保証の負担割合などについて個別に折衝している。また雇用を守るために派遣先企業と協力して、勤務エリアの変更やECの作業補助など業務のスライドを実施している。

WWD:助成金については?

加福:「出る」とは聞いているが、まだ始まったばかりの制度であるし、申請事業所もまだ少ない。少なくとも助成金を受け取った企業はないはずだ。しかしながら当然、WMHも派遣先企業も助成金をあてにしている。

WWD:世界中が暗いトンネルの中にいるとも言えるが、光明は?

加福:未曾有の“コロナショック”下で社員が一丸となっている。われわれは人を扱う仕事をしている。だから、きれいごとではなく“相手を思いやること”が重要であり、それが組織を強くすると信じている。先日、ある本社スタッフに「会社も苦しいはずだ。だから僕の給料を削って、その分を派遣販売員を守ることに使ってほしい」と言われて驚いた。派遣販売員への思いやりをありがたくも思ったが、スタッフにそんな風に思わせてしまったことに経営者としてショックを受けた。だから、その日のうちに全スタッフに「安心してくれ、皆の生活は絶対に守る!」とメールを送った。

WWD:人材業の“現在地点”について聞きたい。

加福:採用活動の手は緩めていない。現在の状況が長期化すれば、企業の倒産や失業者の増加は避けられないだろう。WMHは、企業の採用活動が通常に戻った際に人材不足とならないよう、優秀な人材の確保を命題とする。そして、ここで生きてくるのが全国に張り巡らせたWMHのネットワークだ。

WWD:他の人材会社にないiDAの優位性とは?

加福:登録者の報酬を増やすことをモットーとしている、しかし派遣先企業から見れば、登録者の賃金が高いと就業機会が減ってしまう。そこでiDAの利益率を下げている状態だ。同時に、販売員のスキルアップのための研修「iDAカレッジ」を主催したり、来日して働く登録者のために住居を紹介したり、家賃を一部補助したりしている。引き続き、ファッションおよびビューティ業界における販売員の地位向上に努めたい。

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