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パリコレ最終日のハイライト 圧巻の演出でトリを飾った「ルイ・ヴィトン」 「シャネル」「ラコステ」の速報も

シャネル(CHANEL)

DESIGNER/ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)

 ヴィルジニーは、現代女性に寄り添ったリアリティーのあるスタイルで新たな「シャネル」を築こうとしているようだ。今季は、明るいピンクや淡い黄緑を差し色に加えた白黒中心のデイウエアをそろえる。

 キーアイテムは、サイドを開くメタルボタンが配されたワイドパンツ。ジャケットやコート、ニットにも見られるメタルボタンのディテールは、スナップ式になっているものも多い。また、スカートには中央のファスナー開閉でスリットを調整できるデザインもあり、カジュアルなムードを醸し出す。ルックを完成させるのは、ビジューやパールがあしらわれた大ぶりのクラシックなコスチュームジュエリー。足元は、履き口を折り返したデザインのミドル丈ブーツで統一した。

ラコステ(LACOSTE)

DESIGNER/ルイーズ・トロッター(Louise Trotter)

 出発点は、プロテニス選手として活躍した創業者のルネ・ラコステと、ゴルフチャンピオンでもあった彼の妻シモーヌ。2つのスポーツから見出した調和を描いた。

 ファーストルックは、ブランドを象徴する青みのあるグリーンを用いたセットアップ。その後も、テニスコートのようなブラウンに鮮やかな色味やパステルカラーを合わせるとともに、チェック、ボーダー、アーガイルといった柄をミックスすることで、若々しくスポーティーなスタイルを作り上げる。提案するのは、さまざまな素材のベストやポロ、テクニカルジャージーのスーツ、トラックパンツ、そして、ハリのあるトレンチやダッフルコートなど。ウィメンズにはひざ下丈のプリーツスカートも多く用いるが、全体的に男女でシェアするスタイルが多い。

 アクセサリーは、キャディバッグを縮小したようなハンドバッグに注目。グローブやキルト付きのシューズも、ゴルファーのイメージにつながる。

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)

DEIGNER/ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)

 圧巻とはこのことだ。ステージの幕が開くとそこに200人の合唱団が現れた。彼らが着ているのは、15世紀から1950年代までの世界中の民族の服。一夜限りの民族衣装博物館の登場である。衣装をデザインしたのは、「時計仕掛けのオレンジ」などスタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)映画の衣装デザイナー、ミレーナ・カノーネロ(Milena Canonero)で、着物の女性であればパールのネックレスを合わせるなど単純に民族衣装を再現しているのではない。音楽は、ウッドキッド(Woodkid)とブライス・デスナー(Bryce Dessner)が作曲した新解釈のクラシック音楽。荘厳な音楽がルーブル美術館の中庭に響き渡った。

 200人のキャストはランウエイを歩くことなく、ショーの間そこにとどまり歌やジェスチャーのパフォーマンスを行う。コレクションのテーマは「タイムクラッシュ」。ランウエイに登場したモデルたちが着ている服も、まさに時間と国境と性差を超えたスタイルで〇〇風など一言では言い表せない。強いて言えばベースにあるのは、スポーティーとスーパーフェミニンという相反する2つの要素で、そこに70年代調レトロや80年代調の強さなどさまざまな要素が加わる。まさにタイムトラベラーの様相だ。

 新型コロナウイルスの影響で特に後半は不穏な空気に包まれた2020-21年秋冬パリ・コレクションだったがオオトリの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のパフォーマンスにより“世界はひとつ”というポジティブなムードに転換され幕を閉じた。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員