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ファッションビジネスはクローゼット起点への転換で更にパーソナルに ファッションフリークOL「WWDジャパン」につぶやく

 1992年生まれのファッションフリーク女子が、ファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かした「このニュースからはコレが見える」という切り口で、さまざまな記事につぶやきを添えます。

今日のニュース:P.6『ファッション市場「大転換」に挑む』

読み解きポイント:「デジタルシフトの準備期間は終わり。」

ニュースのポイント

 CEO特集の2020年のテーマは「大転換」。有力企業20社のインタビューから今後10年のファッションビジネスを展望する。まずは「流通革新」を切り口に、10年ごとにファッション流通がどのように変化していったかをまとめた。日本のトレンドは百貨店、量販店、ベーシックSPA、ファストファッションSPAと続き、現在はショッピングのデジタルシフトへ。この流れは欧米から10年遅れており、欧米ではすでにサステナブル経営が進んでいる。また、プロダクトアウトからマーケットインへと変わっていったビジネスアプローチの視点も、より顧客に寄り添ったクローゼット起点の発想へ進化していくと予想される。

Azuはこう読む!

 2019年はファッション業界でもデジタルシフト、DX=デジタルトランスフォーメーションといった言葉をたくさん耳にしました。既存の仕事や手法をただデジタル化するのではなく、考え方そのものをデジタルベースに刷新するのがデジタルトランスフォーメーション。2020年は5Gも始まるので、従来のネット接続よりもはるかによく繋がり、早くなります。消費者サイドもインターネット通信をより気軽に使うことができるようになるので、例えば動画コンテンツやAR、VRといった技術、IoTデバイスの多様化など、ショッピングにおけるデジタルシフトも一気に進むことでしょう。

 記事中では、アマゾンがけん引する「ショッピングの時間とお金の節約、パーソナル対応」や実店舗を持つチェーンによるオムニチャネル化などを、デジタルシフトの例としてあげています。体験型店舗などに加え、この事例が体現しているのは「モノ消費からコト消費へ」というよく聞く言葉。これらはすでに定着して、次はヒト消費(ヒトに起因する消費・つながり消費)と言われていますが、デジタルの活用はこの「コト」や「ヒト」と消費を繋げる役割もありました。

 ライブコマースで好きなインフルエンサーから商品を購入したり、サブスクリプションサービスでコミュニティに所属し定期的な消費をしたり、ここ数年はデジタルコミュニケーションを媒介とした消費が一気に普及しました。よりパーソナルな行動や感情を把握し、魅了することが大切になるのが次の10年。例えば、ある程度機械的に属性や趣味趣向を振り分けた後、機械では起こりえない不一致や違和感、ヒトの温度感をうまく作り出すような体験・サービスが望まれるのではないかなと思います。現に、ECサイトの的確なレコメンドに慣れてしまうと「わかる、好きだよ。でもつまらない、もっとドキドキしたいの!」と思ったり(笑)、逆にお店で「これはどうですか?」と差し出された、自分では絶対に手に取らないようなものに運命を感じたり、機械には導き出せない、自分も知らない正解ってありますよね。

 さらに、2020年代のビジネスアプローチに関しては「クローゼット起点への転換が必要」とあります。ファッションの中で「最も」と言っていいほどパーソナルなクローゼット事情に注目が集まるのは、ヒト消費の加速に伴う必然だと思います。既存のワードローブを活用したサービスはコーディネート提案アプリ「XZ」、コーディネート共有サービス「IQON」、プロのスタイリストが自宅のワードローブでスタイリングを組んでくれるサービス「STYLISTE」など多く誕生していますが、「すでに持っているものを活用する」という考えは一番わかりやすい「サステナブル」の実践方法なので、その考えも相まって、今後一層需要が高まるのではないでしょうか。

 個人的に「あったらいいな〜」と思うのはコーディネート共有サービス内でのフリマ的な機能。憧れの人のワードローブをまねするには、本人から買い取るのが一番手っ取り早いので(笑)。買い取りではないですが、すでに会員制のCtoCファッションレンタルサービス「HURR Collective」が2018年にロンドンでスタートしており、これはかなり試してみたいサービスです。日本では個人間のレンタルサービスはいくつかあるものの、まだファッションに特化したものはないので今年辺り出てくることを期待しています。どなたか!

 2020年の「大転換」はまだ予想されているだけ。ファッション業界だけではなく、業界を取り巻く業界だけではなく、社会の仕組みの一つとしてファッションを考えたときに、やらなければいけないことはまだまだ山積み。この現状をいかに転換していくか。そのヒントは、この数年でやってきたことの中にたくさん隠れている気がします。

Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne