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「オンワードはDXの目的を明確に」 ファッションフリークOL「WWDジャパン」最新号につぶやく

 1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuがリアルな目線を生かし、「このニュースからはコレが見える」という切り口でさまざまな記事につぶやきます。

今日のニュース:P.4「オンワード、事業モデルを大転換」

読み解きポイント「DXの波に乗って人材の新陳代謝を」

ニュースのポイント

 オンワードホールディングスが国内外で展開する約3000店舗のうち2割に相当する600店舗前後を閉め、大規模な構造改革に乗り出す。改革策は「オープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)」など不採算事業からの撤退、韓国法人の清算や中国市場におけるライセンス展開への切り替えなど。一方で成長戦略としては「デジタル」「カスタマイズ」「ライフスタイル」を3本軸に置き、経営資源を重点的に投じる。百貨店を中心に店舗を拡大・維持をすることで成長してきた従来の方法を改め、デジタルで消費者のニーズを掘り起こす企業への転換に挑む。

Azuはこう読む!

 ITの力によってビジネスプロセスを改革したり経営手法を刷新したりする「デジタルトランスフォーメーション=DX」は、もはや構造改革の必須ワードになっています。この記事の小見出しには「デジタルシフトを加速」とあります。オンワードのEC化率13%のうち8割は、自社ECモール「オンワードクローゼット」といいます。収益性や顧客データの活用という面に注目しているようです。

 確かに、百貨店ビジネスに依存していたオールドリテールなあり方からの大転換となると、ECに注力というのがわかりやすいシフトの形です。もちろんこれから先を考えるとECのテコ入れもマストですが、それだけで劇的な構造改革と言えるのか、というのが少し疑問でした。

 もう一つのキーワード「カスタマイズ」の中にもデジタルの概念が含まれると思うのですが、既存のビジネスモデルの一部をデジタルに置き換えただけの「デジタライゼーション」では、サービスが簡単・便利になっただけで終わってしまいます。デジタル化を掲げると、それ自体が目標になってしまいがちですが、大切なのは「何のために」デジタル化するのかということと、それを理解し柔軟に使いこなせる人材です。

 資本力があるところは、おそらくハード面のIT化は容易でしょうが、何より難しいのはITについていくための既存の人材への教育と、新規人材の確保。オンワードに限らず大手アパレルがこぞって「デジタルシフト」に舵を切ったことで、アパレルとIT両方に強い人材や両者をまたぐ教育の需要が今後急速に伸びていきます。考え方を変えると異業種からの転職や挑戦がしやすくなった、とも捉えられるので、この大改革の波に乗って業界全体の新陳代謝が起こることを期待しています。

Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne