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経営破綻の「ブルックス ブラザーズ」を2年足らずで黒字化 凄腕CEOが語る、ブランドの再建と展望

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PROFILE: ケン・オオハシ=ブルックス ブラザーズ社長兼CEO

ケン・オオハシ=ブルックス ブラザーズ社長兼CEO
PROFILE: 公認会計士の資格を有し、大手会計事務所アーサー・アンダーセン(当時)に在籍。小売り、ファッション、広告、製薬会社への監査とコンサルティングを専門としていた。2002年、アパレルブランド「エアロポステール」の新規上場のため入社し、成功に導く。同社のインターナショナル&グローバル・ライセンシング担当シニア・バイスプレジデントなどの要職を務め、ブランドの事業開発、マーチャンダイジング、プランニング、店舗運営などを統率した。16年にオーセンティック・ブランズ・グループ(ABG)が同ブランドを傘下に収めてからはさらに活躍の場を広げ、インターナショナル&グローバルリテール部門社長としてABGの海外事業を率いた。20年12月から現職 PHOTO:TSUKASA NAKAGAWA

ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」は1818年にニューヨークで誕生した、アメリカを代表するブランドの1つだ。クラシックで品のいいビジネス用のスーツやシャツ、ネクタイを主力としているが、オフィスウエアのカジュアル化によるスーツ離れを背景に業績が低迷し、2020年7月に経営破綻。8月には、米アパレル運営会社スパーク・グループ(SPARC GROUP以下、スパーク)が3億2500万ドル(約497億円)で買収した。再建を託されたのは、スパークの親会社であるオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)出身のケン・オオハシ(Ken Ohashi)社長兼最高経営責任者(CEO)だ。同12月に就任し、2年足らずで黒字化を実現した。来日したオオハシ社長兼CEOに破綻の要因や再建の道のり、今後のブランドの方向性や展望について聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年4月22日号からの抜粋です)

WWDJAPAN(以下、WWD):直近の売上高や業績の推移などについて教えてほしい。

ケン・オオハシ=ブルックス ブラザーズ社長兼CEO(以下、オオハシ):数字は開示していないが、2023年は過去最高益を記録した。20年8月の買収時は課題が山積みだったものの、21年には黒字に転換し、22年も順調に成長。既存店ベースで3年連続で業績を伸ばし、コロナ禍前の19年と同じ水準にまで回復している。しかし、商品構成は当時とは大きく異なり、現在はスポーツウエアにも注力している。

WWD:マイケル・バスティアン(Michael Bastian)=クリエイティブ・ディレクターを任命した理由について。

オオハシ:多くの候補者がいたが、マイケルが第一候補だった。彼はアメリカン・トラッドが得意で、「ブルックス ブラザーズ」に深い敬意を抱いており、ブランドらしさを変えたいとは思っていない。なにしろ、「ブルックス ブラザーズ」のビンテージを集めていて、貴重な逸品を山ほど持っているぐらいなんだ(笑)。だから、就任後は喜々としてアーカイブを深掘りしているよ。

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