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「ヴァレンティノ」、23年は営業利益18%減 日本を含むアジアは好調だが欧州が減速

ヴァレンティノ(VALENTINO)の2023年12月期決算は、売上高が前期比5%減の13億5000万ユーロ(約2214億円)、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は同7%減の3億1400万ユーロ(約514億円)、営業利益は同18%減の9900万ユーロ(約162億円)だった。地政学上の先行き不透明感や、世界的なラグジュアリー需要の減速が響いた。

23年12月末の時点で、同ブランドは世界で264の店舗や売り場を展開しており、そのうち直営は232店。売り上げ全体の66%を占める小売(ECを含む)の売上高は同3%増だった。一方、小売を強化する戦略に基づき、合理化を進めている卸は同12%減となった。

地域別に見ると、日本を含むアジア太平洋地域は好調だったが、欧州は下半期に減速。南北アメリカは下半期に回復の兆しが見られたという。

1960年創業の「ヴァレンティノ」は現在、変化のただ中にある。2012年、同ブランドを運営するヴァレンティノ社をカタールの投資会社メイフーラ・グループ(MAYHOOLA GROUP以下、メイフーラ)が8億5800万ドル(約1321億円)で買収。16年に就任したピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)前クリエイティブ・ディレクターは24年4月22日に退任し、後任には22年11月まで「グッチ」を率いていたアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)が就任した。

また、23年7月には、「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁するケリング(KERING)が、ヴァレンティノの株式の30%をメイフーラから17億ユーロ(約2788億円)で取得。これは両社のより幅広い戦略的提携の一環で、契約にはケリングが28年までにヴァレンティノの株式の100%を取得するオプションが含まれているほか、メイフーラはケリングの株主となる可能性があるという。

そのケリングは、24年1~3月期(第1四半期)決算の売上高が前年同期比11.3%減(既存店・現地通貨ベースでは同10%減)の45億400万ユーロ(約7386億円)と苦戦。上半期の営業利益は同40~45%減となる見込み。

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