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ファッションサブスクの「メチャカリ」が有料会員1万3000人突破 競合サービスとの違いは?

 ストライプインターナショナルは、2015年9月に立ち上げたファッションレンタルサービス「メチャカリ(MECHAKARI)」について、“「メチャカリ」成功の裏側”と題した事業説明会を行った。同サービスは19年1月期に単月黒字化したといい、「広告宣伝費を除けば年間でも黒字化を達成、19年5月にはアプリダウンロード数が100万件を突破した」と澤田昌紀グローバルファッションEC本部メチャカリ部部長。「継続利用を前提とした定額制ビジネスであるサブスクリプションで、収益化できているサービスはファッション以外を含めても珍しい」と自信を見せる。同社が分析する「メチャカリ」の強みとは。

 アプリダウンロード数100万件のうち、月額5800円(同時に3着が借りられるベーシックプランの料金。4着が借りられるプランは7800円、5着は9800円)以上を支払っている有料会員数は1万3000人。うち7割が20~30代の女性だという。有料会員数が1万2000人を突破したのが18年11月だったのを考えると、やや伸び幅が鈍いようにも感じるが、「1点単価が高い秋冬シーズンに伸びる傾向が強いため、問題視はしていない」という。

 「メチャカリ」と他のファッションサブスクリプションサービスとの違いとして澤田部長がアピールするのが、返却された商品を自社ECサイト「ストライプクラブ(STRIPE CLUB)」や「ゾゾユーズド(ZOZOUSED)」で中古品として販売している点だ。中古品の売り上げも「メチャカリ」事業の売り上げとして計上している。この仕組みによって「メチャカリ」では新品だけを貸し出すことができ、「レンタルは中古品だから抵抗がある」といった客を取り込むことにつながっているという。

 具体的には、「ストライプクラブ」上で中古品の扱いがある商品には印を付けており、新品と中古品を見比べることができる。例えば、「アース ミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC&ECOLOGY)」のタックワンピース(定価5389円税込)は、中古では3017円で売られている。中古品といっても“新古品”という扱いで、ダメージ度合いの査定やサイト上への詳細の記載などは行わず、その分コストを下げている。「それも収益化のポイント」だ。

 SPAメーカーが仕掛けるサブスクリプションサービスのため、仕入れコストもIT系企業などによる同様のサービスに比べてもちろん低い。また、「メチャカリ」と自社ECとで在庫を一元化しているため、在庫リスクもない。

 「メチャカリ」の利用者のうち、同社の既存顧客は3割。「事業開始前は既存事業のパイを奪ってしまうのではないかと不安視する声もあった」が、杞憂だったという。「既存顧客はファッション好きな層だが、『メチャカリ』はファッションに前のめりではなく、時短などを求める層を新たに取り込む形となった」。

 好調な推移を強調する一方で、「有料会員数の伸びは、立ち上げ初期はもう少し多く見積もっていた」とも明かす。今後は、達成時期などは特に定めてはいないが、有料会員数20万人を目指す。そのための一歩として、今期(20年1月期)は広告宣伝費を「倍増し、3億円増額した」。それによって、従来は秋にしか行っていなかったテレビCMを3月にも実施した。

 現状は自社20ブランドを含む50ブランドを扱い、「常時40万点以上の商品がある」。自社ブランド以外はセレクト業態「グリーン パークス(GREEN PARKS)」の取り扱いブランドだ。ブランド数のこれ以上の拡大は考えておらず、それよりも18年10月に導入したAI(人工知能)チャットボットの精度向上などによって、より顧客にフィットした商品を提案。それによって利用率を高めていくことを目指す。販売管理費の大半を占める物流費においても、19年6月からヤマト運輸との配送連携を開始し、コストを抑えると共に、利用者の返却時の利便性も高めている。

 なお、「メチャカリ」の競合の1つであるファッションのサブスクリプションサービス「エアークローゼット(AIRCLOSET)」は、19年2月時点での無料登録を含む登録会員数が22万人と発表している。