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新型肺炎の影響で中国株が大暴落 上海やスイスの展示会なども中止に

 新型コロナウイルスが株価にも影響を与え始めている。その感染拡大を受け、中国では春節(旧正月)の休みが2月2日まで延長されていたが、3日に再開された中国株式市場ではおよそ3000銘柄がストップ安となった。また上海総合指数は連休前の終値比で7.7%安の2746.61ポイント、深セン総合指数は同8.4%安の9779.67ポイントと軒並み下げる展開となった。なお、日経平均は同0.9%安の2万2963円だった。

 中国共産党の機関紙「人民日報」の系列紙で主に海外ニュースを取り扱っている「環球時報」は、新型コロナウイルスの影響で1~3月期のGDP成長率は2ポイント減と大幅なマイナスとなり、金額にして600億ドル(約6兆4800億円)もの打撃を受ける可能性があると報じている。またエコノミストであり、オーストラリア国立大学(Australian National University)の教授を務めるワーウィック・マッキビン(Warwick McKibbin)は、新型コロナウイルスによる世界的な経済損失は1600億ドル(約17兆円)に上ると試算しているが、2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の経済損失がおよそ400億ドル(約4兆3200億円)だったことを考えるとその4倍にも及ぶことになる。

 感染の拡大を防ぐため、中国本土への渡航禁止や中国からの入国制限措置も広がっている。イベント運営会社のメッセフランクフルト(MESSE FRANKFURT)は、3月11~13日に上海で開催予定だったテキスタイル関連の見本市、「インターテキスタイル上海(Intertextile Shanghai)」と「ヤーン・エキスポ(Yarn Expo)」を延期すると2月3日に発表した。また、同時開催の「チャイナ・インターナショナル・ファッション・フェア(China International Fashion Fair)」も同様に延期される。ウェンディー・ウェン(Wendy Wen)=メッセフランクフルト シニア・ジェネラル・マネジャーは、「最適な代替案を見つけるべく最大限の努力をするが、確実に安全だと分かるまでは見本市を開催しない」と語った。

 中国外でのイベントも中止が決まり始めている。世界最大の時計企業スウォッチ グループ(SWATCH GROUP)は、3月4~6日の日程でスイス・チューリヒで開催予定だった展示会「タイム・トゥ・ムーブ(TIME TO MOVE)2020」の中止を決めた。同展示会では「オメガ(OMEGA)」や「ブレゲ(BREGUET)」「ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)」など、同グループの上位6ブランドをバイヤーおよびメディア関係者に披露する予定だった。

 「タイム・トゥ・ムーブ」は、19年に世界最大の時計・宝飾見本市「バーゼル・ワールド(BASEL WORLD)」から撤退したスウォッチ グループが同見本市の代わりに独自開催する展示会で、中国からのバイヤーやメディア関係者の来場を多く見込んでいた。

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