PROFILE: 室隆之スパイバー執行役員(製造部門長)CMnO

スパイバーは今年4月に私的整理を経て、新たな経営陣の下で再出発した。旧スパイバーの創業者2人も主席研究員として残り、新たな戦略を始動している。2032年ごろ、人工タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」で何ができるようになるのか。製造部門のトップに就任した室隆之スパイバー執行役員CMnO(チーフ・マニュファクチュリング・オフィサー)が語る。(この記事は「WWDJAPAN」2026年10月26日号の記事に加筆しています)
WWD:2030年代にできるようになっていることは?
室隆之スパイバー執行役員CMnO(以下、室):「循環」の実現です。自分たちや他社がつくった服から、また服をつくる。炭素を空気中に出さない。そうした循環を社会に実装するには、個々の企業の取り組みだけでなく、それを支える産業構造や消費者の理解が欠かせないと痛感しています。例えば、非可食の糖を誰かにつくってもらえれば、私たちは素材をつくれます。ただ、それを継続的に供給する産業は、まだ実装されていません。地球全体で見れば、循環はまだできていないと考えています。
一方、消費者は「循環しているからいい」というだけでは手を伸ばしてくれません。驚きのある品質、スパイバーだからこそ実現できる品質が大事で、循環との両立が必要です。欧州の政策とも深く関わるため、ファクトを積み上げてルールメーカーを説得するといった、長期的な取り組みも重要になります。
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