ファッション
特集 2030年代のファッション&ビューティ 第11回 / 全14回

宇宙で化粧品は必要なのか? 宇宙時代に問う「美」の価値

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PROFILE: 石田かおり/化粧哲学者

石田かおり/化粧哲学者
PROFILE: (いしだ・かおり)日本一の化粧哲学者、駒沢女子大学誉教授。専門は哲学(現象学、化の哲学、スロービューティ、トランヒューマンとフィジカルAIの認識論宇宙美容の哲学)。資生堂客員研員を経て、2021年9月から宇宙美機構理事を務める。「化粧せずにはきられない人間の歴史」(講談社現新書)「おしゃれの哲学」(理想社)ど著書多数 PHOTO:TAMEKI OSHIRO

宇宙で美容は、ぜいたくなのか。宇宙旅行や宇宙生活が現実味を帯びる中、肌や髪のケアは健康を守り身支度は心を切り替え、限られた空間での共同生活を支えるものにもなる。化粧文化を研究し、宇宙美容の可能性を探る石田かおり氏に、宇宙で美容が果たす役割とJビューティが世界や宇宙に伝えられる価値を聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2026年10月26日号からの抜粋です)

WWD:宇宙が特別な空間ではなくなりつつある今、宇宙で美容は本当に必要なのか?

石田かおり氏(以下、石田):必要だ。宇宙探索は宇宙飛行士に、宇宙旅行は一般人にという時代が始まっている。2021年は民間人対象の宇宙旅行会社の設立とツアー発売が始まった。たちまち予約待ちになり、「宇宙旅行元年」と呼ばれた。日本政府を含み、国際的には30〜50年ごろに一般大衆が宇宙旅行をし、宇宙で働き始めると想定している。もし宇宙で民間人が滞在するなら、衛生面や美容も避けて通れない。宇宙飛行士のような訓練を受けていない一般人にとって、日常の身支度をどう続けるかは、より切実な課題になる。学生に「月で1年間暮らすとしたら?」と聞くと、「お風呂に入れないし毎日髪も洗えないから行きたくない」と返ってきた。私は、その率直な反応にヒントがあると思う。宇宙でも気持ちよく過ごせるようにする。そこに、美容産業の出番がある。

WWD:宇宙で美容はどんな意味を持つのか。

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