
沖縄県内外で定評のある“沖縄コスメブランド”を紹介する企画の第8弾。今回はミシュランキーを獲得したホテル「百名伽藍」の客室をはじめ、空間の香りづけとして採用されている「26°N(ニジュウロクドエヌ)」のフレグランスミスト“オキナワマツリカ”を紹介。平野祐子「26°N」創業者に商品のこだわりを聞いた。
――「26°N」を創業した経緯を教えてください。
平野祐子「26°N」創業者(以下、平野):もともと、外資系フレグランスブランドでラグジュアリーホテルの館内でつかう香りの設計に携わっていたのですが、東京での多忙な生活から心身のバランスを崩してしまい……。それをきっかけに生活も子育てもゆっくりしたいと思い、沖縄に移住することにしました。沖縄でも香りに携わる仕事をしていた中で、沖縄での暮らしに深く根づいている“さんぴん茶の香り”であるジャスミンを基調とした香りづくりをしたい、と考えたことがブランドを創業した経緯です。
平野:ブランド名である「26°N」は北緯26度線のことです。沖縄をはじめ、この地域は年間平均気温が20℃以上ある期間が多く、冬にもあまり寒くならないことが特徴でして、そんな温暖な気候のなかで生まれた穏やかで平和な香りであるという意味を込めています。
――そんなジャスミンの香りを生かしたフレグランススプレー“オキナワマツリカ”がブランドを代表するアイテムですよね。

平野:沖縄の香りというとシークワーサーなど柑橘系を思い浮かべるかたが多いと思うのですが、さんぴん茶は“おもてなしのお茶”としても重宝されていて、県民の暮らしや記憶に深く根づいている香りだと考えています。そこで、さんぴん茶の香りである“ジャスミン(中国語名でマツリカ)を基調に、現代のライフスタイルにあう香りを開発したいと考え、これまでの私の知見を生かしつつ、県内の調香師とともにルームフレグランス“オキナワマツリカ”を完成させました。
香りの設計には心に深く響かせるために、陰陽五行の思想を取り入れていまして、ヘッドノートに「水」の作用をもつミント、ハートノートに「木」のジャスミン、そしてベースノートに「金」のイランイランと「土」のサンダルウッド、「火」のガジュマルアコードを取り入れています。この組みあわせにより、自分自身の“中心”を意識できるような、落ち着きのある平穏な香りに仕上げました。また、ジャスミンは希少な天然ジャスミン精油を使うことで、上質でモダンなムードを表現しています。
――その思いが実り、ミシュランキー獲得のホテル「百名伽藍」では“オキナワマツリカ”がエントランスなどの空間の香りに採用されているそうですね。
平野「百名伽藍」ではエントランスをはじめ、客室にもこちらの香りを使っていただいています。客室の扉を開けた瞬間に、“オキナワマツリカ”の香りとともに素晴らしい光景を楽しんでいただくことで、沖縄特有の静謐で神聖な空気感を体験いただけるかと思います。また、商品パッケージには月や海、がじゅまるが描かれているのですが、このパッケージが「百名伽藍の景色そのもの」といったお言葉もホテルオーナーからいただきました。
――こちらはルームスプレーのカテゴリーですが、さまざまな用途に使えるようですね。
平野:お客さまからは、ハンカチや名刺に吹きかけたり、ピローミストとした枕に使っているというお声があります。県民のお客さまからは「母が庭に植えていたジャスミンを思い出す」というお声もちょうだいしており、観光客だけではなく、県民のお客さまにも愛されていることを嬉しく思います。“オキナワマツリカ”は上質な香料を使用しているため、比較的、高価格な設定になってしまうのですが、オーセンティックで価値のある“沖縄の香り”として、より幅広いお客さまにお使いいただけたらと願っています。