世界的なフレグランスブームが続く中、香料濃度の高い「エクストレ ド パルファム」が新たな成長分野として注目を集めている。一般的なオードパルファムの香料濃度が15〜20%程度なのに対し、エクストレ ド パルファムは約20%以上で、中には60%に達する製品もある。市場調査会社ミンテル(MINTEL)によると、世界の新製品数は2020年の100製品未満から25年には600製品超へと拡大した。ブランドが差別化を模索する一方、消費者の間では、香りが長く持続し、より深みや豊かさを感じられるフレグランスへの関心が高まっている。
エクストレ ド パルファム自体は新しい概念ではない。1920年代には香水の主流だったが、香水産業の世界的な商業化が進み、オードパルファムが市場の中心になるにつれて、長年にわたり存在感を薄めていた。しかし、パンデミック以降、その状況は変わりつつある。消費者の香水に対する関心や知識が深まり、さまざまな香りを試す意欲も高まったためだ。
中東市場が高濃度香水の新たな基準に
フランス・パリを拠点に香水専門誌の発行や書籍の出版、香水文化に関する情報発信などを手掛けるメディアグループ、ネ(NEZ)が、オマーン発の高級フレグランスブランド「アムアージュ(AMOUAGE)」の支援を受けてまとめた報告書では、「パンデミック以降、この傾向は明らかに加速している。大手メゾンは、香水づくりにおける創造性を最高水準まで高めたものとして、エクストレ ド パルファムという格式ある概念を復活させている」と指摘する。同報告書によると、近年のエクストレ ド パルファムは市場の期待に応える形で、従来の基準を大きく上回る香料濃度を採用するケースが増えている。1920年当時の香料濃度は約20%だった。
ネのヴァレリア・アセベド(Valeria Acevedo)=マネージング・ディレクターは、「10年前、エクストレ ド パルファムは時代遅れの存在に近かった。しかし現在、香りの持続時間や拡散性は、消費者が香水を評価する際の主要な基準になっている。消費者はそれらをレビューし、共有し、比較している」と説明する。さらに、「ニッチフレグランスの成功を受け、業界全体が消費者にとっての価値を追求するようになった。高濃度の香水が一般的な中東市場が、その基準を塗り替えた。また、あまり知られていない要因として規制の影響もある。香りの力強さを生み出してきた従来の原料の多くが規制対象となったため、調香師は濃度を高めることで香りの強さを再構築できる」と続ける。
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