ビューティ

「シャネル」メイクアップの新ディレクター、ルチア・ピエローニってどんな人?

「シャネル(CHANEL)」は9月25日、14日付でルチア・ピエローニ(Lucia Pieroni)をクリエイティブ メークアップ ディレクターに任命したと発表した。ピエローニはシモナ・カッタネオ(Simona Cattaneo)=シャネル フレグランス&ビューティ プレジデントの下、メゾンのカラーメイクアップ製品の開発を担うメークアップ クリエイティブ ストゥディオと共に活動する。カッタネオ=プレジデントは今回、35年にわたり第一線で活動してきたピエローニを起用した理由について、その人らしさを引き出すメイクアップの哲学が「シャネル」の美のビジョンと一致したと明かした。

カッタネオ=プレジデントは、「ルチアにとってメイクアップとは、顔を修正したり変えたりするものではない。その人ならではの個性やエネルギー、人柄、顔立ちを引き出すものだ」と説明。「この考え方は『シャネル』の美のビジョンと非常に一致している」と語った。さらに、ガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)の「美しさは、自分らしくあろうと決めた瞬間に始まる」という言葉を挙げ、両者の美に対する考え方には一貫性があるとする。ピエローニはメイクアップを、自分自身を表現するための親密な行為であると同時に、創造性や遊び、自由を楽しむ場と捉えているといい、カッタネオ=プレジデントは「これも彼女を選んだ大きな理由だ」と述べた。

ピエローニは「シャネル」とすでに接点を持つ。マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)がファッション部門のアーティスティック ディレクターとして初のコレクションを発表した2025年10月から、ランウエイのビューティルックを手掛けてきた。カッタネオ=プレジデントは、「彼女は私たちの美のビジョンを理解している」と評価する。

光と質感を操る35年のキャリア

カッタネオ=プレジデントは、ピエローニが持つ光と質感を操る技術と洗練された表現力も高く評価する。その一方で、「大胆なクリエイティビティーも発揮できる」とし、色や素材を表現手段として自在に扱う力量を強調した。ピエローニの表現は、みずみずしい肌から大胆なリップ、質感やグラフィカルな要素を取り入れたルックまで幅広い。

英国生まれで画家としての訓練を受けたピエローニがメイクアップの世界に入ったきっかけは、モデルだった姉妹の撮影だった。予定していたメイクアップアーティストが現れず、急きょ代役を務めたことでこの仕事に出合った。その後ニューヨークを拠点に、マート・アラス(Mert Alas)、マーカス・ピゴット(Marcus Piggott)、クレイグ・マクディーン(Craig McDean)、デヴィッド・シムズ(David Sims)、マリオ・ソレンティ(Mario Sorrenti)ら著名フォトグラファーと協業。「ヴォーグ(VOGUE)」「ヴァニティ・フェア(VANITY FAIR)」「i-D」などの誌面で作品を発表してきた。

また、「プラダ(PRADA)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「クロエ(CHLOE)」「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」などのキャンペーンを手掛けたほか、マドンナ(Madonna)、キャメロン・ディアス(Cameron Diaz)、ヴァネッサ・パラディ(Vanessa Paradis)らのメイクアップも担当してきた。

2006〜19年には資生堂グループの「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」でメークアップ クリエイティブ ディレクターを務めた。同ブランドでは、光と影、色彩に対する感覚を洗練されたメイクアップパレットなどの製品に落とし込み、ブランドのメイクアップ表現を形作った。その後もフォトグラファーやデザイナーとの協業を続け、ファッションショーやエディトリアル、キャンペーンのルックを手掛けてきた。

歴代クリエイターが築いた「シャネル」のメイクアップ

「シャネル」は22年10月、カラーメイクアップのクリエイションを担う3人のグローバル クリエイティブ メークアップ パートナーからなる「コメット コレクティヴ(COMETES COLLECTIVE)」を発足した。新進クリエイターを起用し、メークアップ クリエイティブ ストゥディオがその活動を支える体制を構築している。

それ以前にも、15年から6年間にわたりルチア・ピカ(Lucia Pica)がグローバル クリエイティブ メークアップ&カラー デザイナーを務め、08〜13年にはピーター・フィリップス(Peter Philips)がメイクアップ開発を指揮した。さらに、ドミニク・モンクルトワ(Dominique Moncourtois)とハイディ・モラウェッツ(Heidi Morawetz)が約30年間にわたりメイクアップ部門を率いるなど、歴代のクリエイターが「シャネル」のメイクアップを形作ってきた。

ピエローニは就任に際し、「『シャネル』に加わることを選んでいただいたことは大変な名誉だ」とコメント。「この比類ないクリエイティブチームとアーティスティックなビジョンを共有できることに胸が高鳴っている。チームと共に、この象徴的なブランドのメイクアップに新たな章を実現することを楽しみにしている」と語った。

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