ビジネス
連載 エディターズレター:MARKET VIEW 第85回

「ギルティ消費」という発明

有料会員限定記事

「ギルティ消費」という発明

4月に亡くなった漫画家・東海林さだおさんは、食べ物エッセイの名手でした。人間ドックの長時間の飲まず食わずから解放されたときの感情を、次のように書いています。

ムショ帰りならぬ、ドック帰りの身分でもあったのだ。「もう、何をしてもいいんだ」という心境になった。ふだんは、コレステロールとか、中性脂肪とか、ダイエットとかを心がけている男なのだが、そのときは違った。「もう、何を食ってもいいんだ」という凶暴な気持ちになった。(文春文庫「トンカツの丸かじり」収録の「ドックあがりのトンカツ」)

文章が書かれたのは1989年。描かれている心境は、2026年にフード業界で話題になっている「ギルティ消費」そのものです。

ギルティ(guilty)は「有罪」の意味。健康のために控えるべきだと罪悪感を持ちながら、大盛りや高カロリーの食事を楽しむ行為を指します。ギルティ消費、背徳グルメといった言葉は数年前から使われていますが、3月に発売された濃厚な甘味の清涼飲料「ギルティ炭酸ノープ」(サントリー)のヒットで脚光を浴びました。コンビニでもギルティ消費をコンセプトにした弁当やスイーツをよく見かけます。飲食店でも大盛りメニューが人気のようです。

この続きを読むには…
残り994⽂字, 画像1枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

軽やかに解き放たれるメンズウエア 2027年春夏メンズ・コレクション特集Vol.2【WWDBEAUTY付録:世界のビューティ企業 売上高ランキング TOP100 2025年版】

記録的な熱波に見舞われた今季のメンズ・ファッション・ウイークは、価値観をアップデートする2つの意味での「解放」がキーワードになりました。1つは、堅苦しいイメージも強い伝統的なテーラードスタイルからの解放。もう1つは、「男はこうあるべき」という固定観念からの解放です。「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」や「シモーン ロシャ(SIMONE ROCHA)」に象徴される、繊細さや…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。