MTGは7月21日、ビューティブランド「リファ(REFA)」の新製品・ブランドビジョン発表会を横浜・ぴあアリーナMMで開催した。登壇した松下剛社長は、創業50周年となる2046年をめどに、「売上高10兆円規模を目指す」と表明した。
会場には美容サロン関係者や取り引き先、顧客ら約3000人が来場。同社史上最大規模となる発表会となった。「リファ」のヘアケアカテゴリーのミューズを務めるMINA、SANA、MOMOによるユニットMISAMOも登壇し、9つの新製品を披露した。
年24%の成長で2046年に10兆円
松下社長は、今後15年間は社長を務め、その後5年間は代表取締役会長として経営に携わり、2046年までに売上高10兆円を目指す考えを示した。「また大きな話を、と思われるかもしれない。ですが、日本の美容業界に大ぼらを吹く男が1人ぐらいいてもいいでしょう。ただ、言った以上は必ず実現したい」と胸を張った。
MTGの25年9月期の連結売上高は988億円。26年9月期は前期比37.0%増の1350億円を見込む。松下社長によると、創業以来の年平均成長率は23.8%、直近5年間は同34%伸長しているという。今期(26年9月期)の売上高を起点に、今後20年間、年平均24%の成長を維持できれば、10兆円に到達できると試算する。事業別、ブランド別の具体的な内訳については「これから逆算していく段階」とした。その上で、「10兆円は決して不可能ではない。ただ、お客さまに喜んでもらい支持され続けなければ達成できない数字だ。日本だけでなく、世界の人に『リファ』を知ってもらい、購入し、リピートしてもらう必要がある」と語った。
なお、社内からは、「(2046年10兆円を目指すことは)メディアの前では発表しない方がいいのではないか」との意見があったが、それでも「気づいたら言っていた」(松下社長)と微笑んだ。「宣言するには良い場になった」と振り返った。
「1社ではできない。総力戦だ」
松下社長が今後の成長の柱に据えるのが、日本の美容産業を一体で世界に発信する「Jビューティ」だ。政府が閣議決定した「日本成長戦略」にJビューティが位置づけられたことに触れ、「化粧品、家庭用・業務用の美容機器、プロフェッショナルの技術が1つになる絶好の機会だ」と期待を示した。
Jビューティについては、「どこか1社だけで成し遂げるものではなく、総力戦だ」と強調する。同社がその要素として挙げたのは、日本の自然、食、おもてなし、美容のプロによる施術、伝統工芸、先端技術の6つ。化粧品や美容機器に限らず、観光や食、文化まで含め、日本の美の価値を世界に発信したい考えだ。
さらに、K-POPや韓国ドラマなどがKビューティの世界的な成長を後押ししたことを踏まえ、産官学民の連携に、音楽や映像、ダンスなどの「芸」を加えた「産官学民芸」を提唱した。「Kビューティにできて、Jビューティにできないことはない。日本には素晴らしい技術やモノ作りがあるにも関わらず、その価値を十分に発信できていない」と言及。行政や企業、美容のプロに加え、大学や異業種が持つ技術を美容・ウェルネス分野に応用し、製品化につなげる考えも示した。また、「今でも創業者として、ベンチャーだと思って経営している。大手企業がなかなか挑戦しにくい領域に、われわれが挑戦していきたい」と語った。
国内5万店のサロンと世界市場へ
「リファ」は09年、美容ローラーからスタートした。その後、ドライヤーやヘアアイロン、ブラシ、コーム、シャンプー、ファインバブルシャワーなどに領域を広げてきた。松下社長は、「製品開発やブランドの成長を支えてきたのが、美容師をはじめとするプロの意見だった」と語る。
日本の美容師やエステティシャン、ネイリストの技術力や接客については「世界トップレベル」と評価する。訪日客に製品を購入してもらうだけでなく、サロンで施術を体験してもらう仕組みも検討する。「サロンなくして、今の『リファ』はない。Jビューティを通じて、これまで支えてもらったサロンに恩返しができるのではないか。サロンとともにグローバル成長戦略を組んでいきたい」。
銀座旗艦店とホテルがインバウンドの接点に
海外での認知拡大に向け、手応えを得ているのが、25年11月にオープンした旗艦店「リファ銀座(REFA GINZA)」だ。開業から6月末までの累計来場者は約32万人に達し、158の国・地域から客が訪れた。売り上げに占める訪日客の比率は約65%。国別ではアメリカからの来店が最も多く、タイが続くという。
松下社長は、訪日客が店舗を訪れるきっかけの1つに、宿泊先のホテルでの製品体験を挙げる。現在、「リファ」のドライヤーやヘアアイロンなどは全国約12万室に導入され、銀座店周辺では4割ほどのホテルで使われている。宿泊中に製品を使用した訪日客が店舗を訪れ、購入するケースも増えているという。海外市場への進出を急ぐのではなく、まずはインバウンドを通じて、国や地域ごとの需要を見極める方針だ。
「ネオトリートメント」を2兆円市場へ
ヘアアイロンとトリートメントの機能を組み合わせた“トリートメントアイロン”を、「『ネオトリートメント』という新カテゴリーで展開する」と宣言した。既存のヘアアイロン利用者だけでなく、これまでヘアアイロンを使ってこなかった層にも広がっていることから、「アイロンというカテゴリーの中に入れるのはもったいない」と判断した。新カテゴリーとして育て、将来的にはドライヤーと同等の市場規模となる2兆円を目指す。