欧州ビューティEC市場で、アマゾン(AMAZON)が存在感を高めている。ニールセンIQ(NIELSENIQ)の調査によると、同社は欧州主要10カ国中8カ国で首位を獲得。一方で、「TikTok Shop」をはじめ、中国JDドットコム傘下の「ジョイバイ(JOYBUY)」、スペイン発「プリモール(PRIMOR)」、フランス発「アロマゾーン(AROMA-ZONE)」などの新興勢力も急成長を遂げており、同市場は新たな競争局面を迎えている。(この記事は「WWDJAPAN」2026年7月13日号からの抜粋です)
ニールセンIQが発表した、欧州ビューティEC市場に関するリポート「Beauty E-commerce 2026: The New Rules of Growth」によれば、EC市場ではアマゾンが存在感を高める一方、ソーシャルコマースやD2C、リセールといった新たなビジネスモデルも急速に広がっている。ベルギーではアマゾンが地場大手「ボル」を抜いて首位を獲得し、英国、ベルギー、オーストリアでは最も高い成長率を記録した。
男性顧客と専門店ユーザーを取り込むアマゾン
同社の強さを支える要因の1つが男性顧客の存在だ。ニールセンIQのアガット・アポラン(Agathe Apollin)西欧ビューティセールスリードは、「多くの競合企業が女性中心の顧客構成であるのに対し、アマゾンではビューティ売上高の約半分を男性が占める」と説明する。またセフォラ(SEPHORA)をはじめとする美容専門店を利用する消費者がアマゾンでも積極的に購入している点も特徴だ。イタリアと英国では美容専門店利用者が最も利用する購入先となっている。ドイツ、フランス、スペインでも主要な購入先の1つとなっている。さらに、アマゾンだけで美容商品を購入する顧客の多さも見逃せない。フランスではビューティ購入者の18%、イタリアでは37%がアマゾンのみを利用しているという。こうした高いロイヤルティーが継続的な成長を後押ししている。
カテゴリー別に見ると、英国、イタリア、ドイツ、スペイン、フランスの欧州主要5市場において、アマゾンは香水を除くほぼ全てのカテゴリーでトップクラスの地位を確立している。特にスキンケア分野での勢いが顕著で、各市場でシェアを拡大。中でもダーマコスメティクス領域は大きな成功を収めており、専門性の高いカテゴリーで存在感を高めることで、プレステージビューティ市場への浸透につながっている。従来、美容専門店が優位だったプレステージスキンケアでも、アマゾンはEU5市場でトップ4に浮上。ドイツ、英国、フランスでは同カテゴリーにおける最速成長企業となり、スペインでもプリモールに次ぐ伸びを示している。
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