2019年にオープンした世界旗艦店「無印良品 銀座」。地下1階にレストラン「MUJI Diner」、1〜5階が販売フロアで、1階にカフェとベーカリーを併設。6階はイベントなどを行う「ATELIER MUJI GINZA」、6〜10階に「MUJI HOTEL GINZA」を構える。化粧品を最も売り上げる店舗
「無印良品」の化粧品は、いまや良品計画の成長を象徴するカテゴリーだ。同社が発表した2025年8月期連結決算では、売上高に当たる営業収益が7846億円、営業利益が738億円と共に過去最高を更新。そのけん引役の一つとしてスキンケアやメイクを含むヘルス&ビューティー(H&B)が挙げられた。既存店の底上げと出店拡大に加えて、H&Bを重点カテゴリーとして育成する方針を強調している。良品計画独自の製品体系「衣生食」の中で、H&Bは生活雑貨部門の一角を成す。生活雑貨部門はキッチン用品、寝具、家電など生活基盤を支える広範な製品群を含み、H&Bはスキンケア、メイク、ヘアケア、フレグランスなどを扱う。(この記事は「WWDJAPAN」2025年11月24日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
「無印良品」独自の製品カテゴリー
衣服・雑貨
服、肌着、バッグ、シューズなど
生活雑貨
ヘルス&ビューティー(コスメ・ケア用品)、タオル・バス・トイレ用品、
掃除・洗濯用品、キッチン用品、食器、家具、文房具など
食品
レトルト食品、菓子、飲料、冷凍食品など
転期は「第二創業」、売上高の推移は?
転機となったのは、2021年に就任した堂前宣夫前社長が打ち出した「第二創業」だ。価格の見直しや生活圏への大型店出店加速、生活の基本である日常消耗品への集中が掲げられ、その中心の一つにH&Bが置かれた。当初は、価格政策の迷走や不採算店舗の課題が表面化し、業績が揺れた時期もあった。しかし、構造改革と品ぞろえ再編が奏功し、後の成長基盤が固まった。中でもH&Bの国内の年間売上高は過去3年でほぼ倍増し1000億円超、売上高構成比は22%に達するまでに成長。“敏感肌用シリーズ”の刷新や米ぬか発酵成分を用いた導入美容液などのヒット製品、リフィル対応の強化、10代や男性などを中心とした新規客の増加がこの伸びを支えている。昨年11月にバトンを受けた清水智社長は、その土台の上に「出店で稼ぎ、コストを削り、投資で生かす」という3カ年の新たな中期経営計画を発表。28年8月期に売上高1兆円、営業利益率10%を掲げ、日本と東アジアの安定収益に加え、欧米と東南アジアの成長加速を狙う。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
