PROFILE: レオン・デル・フォルノ=テミメ パートナー弁護士

ここ数年、ラグジュアリーブランドでのデザイナー交代劇がさらに目まぐるしくなっている。これには時代の変化に伴うクリエイションのアップデートや業績へのテコ入れのためといったブランド側の都合や、デザイナー本人の希望などさまざまな理由があるが、ビジネスである以上、契約はつきものだ。特に、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)やケリング(KERING)などのコングロマリットが擁するブランドともなれば、巨額の資金が動く。デザイナーなどの個人が、大企業を相手に有益な契約を結ぶための心構えやコツはあるのだろうか。フランスの法律事務所テミメ(TEMIME)でパートナーを務め、エディ・スリマン(Hedi Slimane)「セリーヌ(CELINE)」前アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターらの有名デザイナーを顧客に持つ、レオン・デル・フォルノ(Leon del Forno)弁護士に米「WWD」が聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年6月2日号からの抜粋です)
デル・フォルノ=パートナー弁護士は、会社法、商法、刑法に精通し、主にホワイトカラーによる経済犯罪を専門として活躍している。同氏が法曹界だけでなく、ファッション界でも一躍有名になったのは、2016年3月に「サンローラン(SAINT LAURENT)」のクリエイティブ・ディレクターを退任したエディが、競業避止条項(退職後に競合にあたる企業などへの転職を一定期間にわたり禁ずる条項。代わりに相応の対価を受け取る場合もある)をめぐりその親会社ケリングを提訴した際の代理人を務めたことがきっかけだろう。
現在、デル・フォルノ=パートナー弁護士はエディのほかに、2025年2月までOTBが擁する「ジル サンダー(JIL SANDER)」のクリエイティブ・ディレクターを務めていたルーシー・メイヤー(Lucie Meier)とルーク・メイヤー(Luke Meier)、2023年9月に「クロエ(CHLOE)」のクリエイティブ・ディレクターに就任したシェミナ・カマリ(Chemena Kamali)、2021年9月にLVMHが擁する「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」のアーティスティック・ディレクターに就任したカミーユ・ミチェリ(Camille Miceli)らを顧客としている。
WWD:デザイナーの交代劇が続いているが、キャリア面で“クリエイティブ(アーティスティック)・ディレクター”はリスクの高い職業だと思う?
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
