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「グッチ」の目出し帽風ニットが“黒人差別”と物議 謝罪文を発表、商品は販売中止

 「グッチ(GUCCI)」は、ECで販売していたバラクラバ帽風のトップスが黒人差別だとするあるツイッターユーザーの指摘とそれにまつわる議論を受けて、2月7日にツイッターで謝罪文を発表。同商品をECから削除し、実店舗でも販売を取りやめた。

 「グッチ」は謝罪文で「ウールのバラクラバのセーターが呼んだ議論について、深くお詫び申し上げます。ダイバーシティーはあらゆる決定を行う際に最初にあるべき基礎的な価値観であり、十分に支持され、尊重されるべきだとわれわれは考えています。われわれは組織全体でダイバーシティーの拡大に取り組み、この事件を「グッチ」チームにとって大きな学びに変えることに、そしてそれ以上になるように、全力で取り組んでいます」とコメントした。

 今回の議論を引き起こしたツイートは、「『グッチ』からバラクラバ帽のニットトップス。みんな、黒人歴史月間おめでとう」というコメントとともに、ECサイトからのスクリーンショットを公開したもの。黒人歴史月間とは、アフリカ系の偉人やアフリカ人コミュニティーの歴史を回想する年間行事のことで、アメリカでは毎年2月に行われている。また、フォロワー20万を抱えるインフルエンサーでプロデューサーのダニエル・プレダ(Daniel Preda)は「マネキンが着ている“ファッション”セーターは、ブラックフェイス(黒人以外の役者が黒人の役を演じるために施す化粧)を想起させるものだし、間違いなく不適切だ」とツイートした。

 しかし一方で、「トップスは店舗に戻したほうがいいし、全くブラックフェイスではない。最近は『いいね!』を稼ぐために理由もなく何でも批判する人たちばかりだ」というツイッター投稿もあり、賛否両論を呼んだ。

 またファッション界のご意見番アカウント、ダイエット プラダ(Diet Prada)も、1940〜50年代のハリウッド黄金期にインスパイアされた「グッチ」の2019年春夏のキャンペーンが、本来ハリウッドの繁栄に大きく貢献した有色人種の人々を描写しておらず、ダイバーシティーに欠けていると2月5日に指摘した。

 しかしこの指摘に対してアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)は自身のインスタグラムで黒人のダンサー役のモデルが映ったキャンペーンビジュアルとともに、ブラックのハート型の絵文字で囲んだ「I love all color」というコメントを投稿していた。

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