
経済のリセッションが指摘される中国市場だが、デザイナーズブランドが台頭している。彼ら彼女らの多くが欧州や日本の名門ファッションスクール出身で、西洋的なモード感覚に中国の美意識を巧みに融合する。一方で、ネット通販プラットフォームの「タオバオ(TAOBAO)」と SNS「小紅書(RED)」を通じて、感度の高いZ世代を取り込むリアルクローズブランドも急成長し、小資本・少人数で手頃な価格のウエアやグッズを供給する。注目のデザイナーズ&リアルクローズの注目ブランドを紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年10月27日号からの抜粋です)
上海で台頭する「シャンハイ・ファイブ」
「シュシュトン(SHUSHU/TONG)」

高級ブランド幹部も注目
上海デザイナーズの最右翼
レイ・リウシュ(Liushu Lei、シュシュ)とジアン・トン(Yutong Jiang)による「シュシュトン」は、フリルやリボンなどのガーリーでロマンチックな要素と構築的なシルエットや大胆なカッティングを融合し、“かわいい”の概念を再定義する。多彩なスタイルをミックスするセンスもある。上海ファッションウイークで披露したランウエイショーには、著名なインフルエンサーに加え、中国のケリングの最高幹部や上海市の有力者がフロントローに並んだ。
「オードワーグ(OUDE WAAG)」

ジスら海外セレブも顧客
伝統と前衛を融合
英セントラル・セント・マーチンズ校を経てロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業したイン・ジンウェイ(Jingwei Yin)がデザイナーを務める「オードワーグ」は、中国の伝統的な美と前衛的な西洋モードを融合し、素材の質感や陰影を生かしたミニマルで彫刻的な服作りを追求する。服作りと同様に巧みなのが、海外展開だ。ブラックピンク(BLACKPINK)のジス(JISOO)やシャーリーズ・セロン(Charlize Theron)らの世界的なセレブの服も手掛け、世界40店舗以上で販売している。
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