
かつて中国で仕事をしていた祖父の家は中国からの留学生を受け入れていて、小さい頃に行くとよくその留学生が一緒に遊んでくれた。クッキーのような胡蝶酥(フーディエスー)や、薄い生地に刺しゅうをほどこした布地を貼った置物をくれたり、遊園地に連れて行ってくれたりもした。私にとって初めて触れた「異国」が中国だった。私だけでなく日本に住む多くの人にとっても、中国は最も身近な「異国」のはずだ。「中国製」の服に身を包み、家電を使い、「中華料理」だってよく食べる。40代以上の業界人にとっては、最もよく行く出張先、あるいは駐在先の一つが中国だったはずだ。今でもそうかもしれない。(この記事は「WWDJAPAN」2025年10月27日号からの抜粋です)
テック、SNS、AIーー世界に浸透する中国発
だが、気がつけば中国はさらに多くの姿を見せるようになった。インバウンド消費、アリババ(ALIBABA)やテンセント(TENCENT)などのビッグテック、EV自動車、AIなどに加え、中国は猛烈なスピードで次から次へと新しいインターネットサービスを生み出しており、いま日本で広く使われているサービスも「中国発」であることが珍しくない。縦型ショート動画やシェアサイクル、ドローン、QRコードを使ったスマホ決済などは、中国で発展し完成され、日本にも普及した。
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