「WWDJAPAN」10月27日号の特集は「中国特集」です。10年ほど前までは繊維・アパレルや家電などの「生産大国」だった中国は、気がつけばインバウンド消費や、アリババやテンセントなどのビッグテック、EV自動車、AIなどに加え、中国は猛烈なスピードで次から次へと新しいインターネットサービスを生み出しています。一方でファッションやビューティでは2000年以降に生まれ、小さい頃からスマホやSNSに慣れ親しんできた「00后(りんりんほう)世代」が消費の中心に躍り出ようとしています。「シーイン」「ポップマート」といった新しいソフトコンテンツや、「TikTokショップ」などの新しいネットサービス、そして「00后世代」が生み出すファッションーー今まさに世界を席巻し、これからさらなるムーブメントを生み出そうとする「あたらしい中国」を特集します。
「上海ファッション・ウィーク」で台頭する「シャンハイ・ファイブ」や、「タオバオ」を軸にZ世代を取り込んで急成長するリアルクローズの注目ブランドを紹介。また、日本人でありながら長く「上海ファッション・ウィーク」に関わってきた幸田康利オープンクローズ代表による「上海ファッション・ウィーク」リポートは、同FWを支える注目の2大企業の「レーベルフッド(LABELHOOD/蕾虎)」と「ドンリャン(DONGLIANG/棟梁)」にまで踏み込んで解説します。
また、「WWDJAPAN」で月1回連載の「中国電脳コマース趣聞」の作者であるジャーナリストの高口康太さんによる「中国の最新トレンド&注目企業」では、超注目の人型ロボットスタートアップのガルボット(GALBOT)の創業者の独占インタビューのほか、「中国で禁止のBLがなぜかタイで復活」や中国の「モンベル」ブームなどなど、注目の企業や事象をリポートします。
また極めつけは中国経済と産業政策研究の第一人者である丸川知雄・東大教授による「シーイン村」リポートです。優れた経済学者による「シーイン村のリアル」は、まさに必見です。
「WWDJAPAN」屈指の人気連載「美容ジャーナリスト 齋藤薫のビューティ業界のオピニオン」でも、中国・韓国の台頭と日本の化粧品業界のこれから、について提言。最終面の「ファッション&ビューティ パトロール」は愛媛で開催中の「アートベンチャー愛媛フェス(ART VENTURE EHIME FES)」について。大人から子どもまで楽しめるアートフェスで、大阪・関西万博のあの「ヌルヌル」アーティストに直撃しています。
PHOTO:KIZEN(W)
HAIR:KEITA(AVGVST)
MAKEUP:TAMAYO YAMAMOTO
STYLING:KOJI OYAMADA(LESEN)
MODEL:SENPING(BRAVOMODELS)
COVER REELS DESIGN:CHIGE (GWISUB JUNG)
【衣装】
コート22万円、ベスト30万5800円/共にウーヤ (ウーヤ @uooyaa_japan)、
トップス4万1800円、グローブ4万700円/共にペナルティメイト(MATT. info@the-matt.com)
パンツ3万5800円/レポトキオ(9FOX SHOWROOM @9fox_showroom)
フード1万8200円/フーグイファー(9FOX SHOWROOM @9fox_showroom)
シューズ 参考商品/ユェチ・チ(MATT. info@the-matt.com)
化粧品企業のグローバルサウス戦略
ビューティ付録は「グローバルサウス特集」です。中国偏重から脱するため、各社がグローバルサウスを中心とした展開を強めています。その中の一つであるインドの化粧品・パーソナル市場規模は、2022年で中国の5分の1程度の約2.1兆円。しかし、約3億人いると言われる中流階級が日本産、欧米産の化粧品に興味を持ち始めています。そのほか、タイは、日本と同様に超高齢化と人口減少が進む中、購買力の高い中間層が拡大すると予測、最重要市場の一つに掲げられています。タイの人々は美容感度も高いことから、百貨店ではプレステージ、ドラッグストアはプレミアムマスの価格帯に期待が寄せられています。
本特集では上記2カ国に加え、ベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシアに進出する日本の化粧品企業の取り組みを紹介し、グローバルサウス市場の現在地を探っています。
最終面では、「グッチ」「サンローラン」「ボッテガ・ヴェネタ」などを擁するケリングがロレアルとビューティおよびウェルネス分野における長期的な戦略的パートナーシップを締結した背景を紹介しています。