ファッション

クロスプラスがD2C事業を拡大 「エーティー」をEC専業に転換  

 クロスプラスは、婦人服ブランド「アツロウタヤマ(ATSURO TAYAMA)」のセカンドライン「エーティー(A.T)」を2019-20年秋冬からEC専業に切り替える。店頭の商品は順次引き上げており、9⽉20⽇には専⽤ECサイトで販売を開始した。これまで「エーティー」を展開していた「アツロウタヤマ(ATSURO TAYAMA)」の店舗には、スポーティーカジュアルを意識した19年春夏スタートの新ライン「ATS」を本格導入する。

 「エーティー」はEC専用への切り替えに伴い、「従来の主要顧客である40~50代から30代の女性の取り込みも狙っていく」(東福克尚エーティーグループ長)ため、「⼤⼈の⼥性のリアルクローズ」を意識する。従来の異素材切り替えなどを取り入れたアバンギャルドなテイストから、ベーシックでシンプルなデザインにモード感をほどよく取り⼊れたデザインにシフトする。また、近年のアスレジャーやスポーツへの機運の高まりを受け、店頭では「ATS」を「アツロウタヤマ」とともにスポーティーミックススタイルで見せる。

 19年春夏に同社初のEC専業ブランドとしてスタートした「ノーク(NORC)」は、フェミニンでトレンド感があるデザインで「エーティー」と差別化する。販売は9月時点で計画以上で推移しており、品質と価格のバランスとともに、ウェブ上でのビジュアルにこだわったスタイリング提案が受けている。重衣料が好調で、春夏のトレンチコートは100%の消化を達成した。10月には東京と大阪で初めてのポップアップストアを開催し、リアルで服や世界観を見せる場を設ける。「他業種からD2Cアパレルへの参入も増えているが、うちには長年アパレルで培ってきたモノ作りの基盤があり、品質で差別化できている」という。「エーティー」も同様のノウハウで拡大を図る。

 今後もEC専業を拡充する方針で、20年度中にも既存のブランド・ラインから、2、3業態をスピンアウトする。「従来は店舗を重視してやってきたが、今後はリアルとオンラインそれぞれの強みを生かして、柔軟に最適な選択をしていく。EC化率は早期に5%への引き上げを目指す。ビッグサイズやタウンスポーツなど、一定のニーズがあるジャンルはECできちんとニーズに応えていく」。

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