フォーカス

サッカー日本代表の森保監督がスーツで試合に挑む理由 「ダンヒル」の新モデル発表会で直撃

 英国発の紳士服ブランド「ダンヒル(DUNHILL)」は、サッカー日本代表に提供するオフィシャルスーツの2019年度モデルの発売を記念したイベントを4月26日に東京の銀座本店で開いた。イベントではサッカー日本代表の森保一監督を招いたトークショーを行い、会場には多くのメディアやサッカー界の関係者が訪れた。

 新作のスーツはネイビーのスリーピースで、上品なトーナルストライプが特徴だ。体のラインに沿ったシャープなシルエットは、熟練のフィッターが採寸したメード・トゥー・メジャー(MTM)ならではの美しさ。スーツのほかにもMTMのシャツやネクタイ、ポケットチーフ、タイバー、ベルト、ウォレット、カードケースをそろえる。日本全国の直営店と、スーツとシャツ以外はオンラインストアでも購入可能だ。

 同ブランドは2000年からサッカー日本代表にオフィシャルスーツを提供しており、選手やスタッフを20年にわたってサポートしてきた。1893年創業の歴史ある“大人のブランド”というイメージもかつては強かったが、日本サッカー界の成長とともにミレニアル世代への知名度も上がって、20〜30代の売り上げシェアも徐々に増えている。日本代表を長年サポートし続けていることから、若いサッカー選手たちも“日本代表になれば着られるブランド”という憧れのイメージを抱いているという。

 そして18年7月からサッカー日本代表を率いる森保監督は、試合では常に「ダンヒル」のスーツで指揮をしている。Jリーグのサンフレッチェ広島で監督をしていた12〜17年も、試合に臨む際はいつもスーツだった。日本中の期待を受ける指揮官の勝負服に対するこだわりとは。イベント会場で聞いた。

「自分なりの正装で試合に臨みたい」

WWD:「ダンヒル」の新しいスーツの感想は?

森保一サッカー日本代表監督(以下、森保):3月に採寸してもらって仕上がってきたスーツなので、体のサイズにぴったりでとても着やすい。着心地はやわらかいのに、気持ちがとても引き締まるデザインだ。個人的にネイビーのスーツが好きだしシャツはブルーをよく選ぶので、今回のオフィシャルスーツは本当に好み。

WWD:試合にはジャージーではなく、スーツで臨むのはなぜ?

森保:サンフレッチェ広島の監督に就任が決まった際に、いつも人生のアドバイスをしてくれる人から「試合にはスーツで臨め」と言われたのがきっかけ。でも、なぜそう言ってくれたのかはわからない(笑)。自分なりの解釈だが、サッカーの発祥地は紳士の国のイングランド。だから監督も身だしなみとしてスーツを着ていることから始まったのかなと思う。真夏の大会ではさすがにスーツを着るかどうかはわからないが、自分なりの正装をして試合に臨みたいとはいつも考えている。

WWD:スーツ姿が印象的な選手や監督は?

森保:浦和レッズのオズワルド・オリヴェイラ(Oswaldo Oliveira)監督は、いつも姿勢がよくて自信に満ちた姿が印象に残っている。スリーピースのスーツを着た彼のシルエットがかっこいい。試合結果や内容に左右されず常に凛としていて、自分もそうありたいと思う。

WWD:現在の日本代表でスーツの着こなしにこだわっている選手は?

森保:全員が本当にかっこいい。彼らは普段から一生懸命トレーニングしているから、体のメリハリがシャープなスーツを着るとよりきれいに見える。遠征の時にはスーツを着た選手たちを見て、かっこいいなといつも思っている(笑)。日本代表にスタイリストがいるわけでもなく個々に着ているのだが、みんなセンスがある。

WWD:個性的な選手たちをまとめる立場として意識していることは?

森保:全てをまとめようとは考えていない。チームとしての大枠のルールや規律の中で、個性を最大限に発揮してもらいたい。“個”と“組織”を同時に考えていきたい。サンフレッチェ広島の前身であるマツダSC で選手としてプレーしていた際に、当時の監督だった今西和男さんから組織で粘り強く戦う姿勢を学んだことが現在の仕事にも生かされている。

WWD:「ダンヒル」と日本代表は20年間をともに歩んできたが、今後20年で日本サッカー界がさらに飛躍していくために必要なことは?

森保:日本のよさを国内で培っていく環境をつくることが大切だ。そして、国際経験をさらに多く積んでいくこと。チームや個人で海外に積極的に出て経験を重ねることで、世界の強豪国を追い越す方法が見えてくる。アジアで確実に勝つ力をつけて、2050年までに世界チャンピオンを目指す。まずは来年の東京五輪で金メダルをとりたい。スーツも新しくなったので、令和に向かって気持ちも新たに頑張っていきたい。