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「アクネ ストゥディオズ」が株式の41%を売却 I.Tグループが10.9%取得

 「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」が、株式の41%を投資ファンドのIDGキャピタル(IDG CAPITAL)と香港のアパレル企業I.Tグループ(I.T GROUP)に売却する。同ブランドを設立したジョニー・ヨハンソン(Jonny Johansson)=クリエイティブ・ディレクターとミカエル・シラー(Mikael Schiller)=エグゼクティブ・チェアマンが引き続き株式の過半数を保有し、IDGキャピタルが25.1~30.1%(規制当局の判断により変動)、I.Tグループが10.9%取得する。1株当たりの価格は143ドル(約1万5730円)で、I.Tグループの支払い額は5380万ドル(約59億円)。売却額は、同社の2018年EBIT(利払い前・税引き前利益)である2740万ドル(約30億円)の18倍程度と見られている。

 I.Tグループは2000年代初頭から「アクネ ストゥディオズ」と提携しており、同ブランドのアジア進出をサポートしてきた。他にも、I.Tはギャラリーラファイエット(GALERIES LAFAYETTE)やドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」などがアジアに進出する際に提携している。IDGキャピタルは、ファーフェッチ(FARFETCH)やモンクレール(MONCLER)などのアパレル関連企業に加え、テンセント(TENCENT)や百度(BAIDU)といったアジア系のIT企業に出資している。

 シラー=エグゼクティブ・チェアマンは、「最高の条件で取引することができ、とてもうれしく思っている。IDGキャピタルとI.Tグループのことは以前からよく知っており、彼らが持つファッション業界のノウハウや急激に進化しているEC小売りに関する豊富な知識によって、当社がさらに発展することを確信している」と語った。なお、シラー=エグゼクティブ・チェアマンは取引成立の数年後に現職から退く予定。

 「アクネ ストゥディオズ」は1996年にスウェーデン・ストックホルムで設立され、売上高は2億ユーロ(約250億円)を超えているが、情報筋によれば17年から事業が減速していた。日本では東京と大阪に旗艦店を構え、トゥモローランドと折半出資による合弁会社を設立し運営している。

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