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フランス高級ランジェリー「オーバドゥ」 人気の秘密は年齢と体型を問わない商品にあり

 フランス発ランジェリー・ブランド「オーバドゥ(AUBADE)」は今年、創業60周年を迎えた。「オーバドゥ」と言えば、フランスを代表する伝統的な高級下着ブランド。ブランドとしての設立は1958年だが、1875年に医者がコルセットを開発したのが始まりだ。25年以上継続している女性の体の美しさを白黒写真で表現したキャンペーン・ビジュアルで知られる。2005年にラウンジウエア・ブランド「カリダ(CALIDA)」やアウトドア・ブランド「ミレー(MILLET)」を傘下に持つスイスのカリダ・グループの傘下に入り、17年度の年商は5550万ユーロ(約71億5000万円)。日本では、下着専門店マリアネリを運営する栄進物産が30年以上、独占販売している。60周年を記念し来日したマルティナ・ブラウン(Martina Brown)=オーバドゥ副社長に今後の戦略について聞いた。

WWD:「オーバドゥ」のブランド・フィロソフィーは?何が「オーバドゥ」を他のランジェリー・ブランドと違うものにしているか?

マルティナ・ブラウン=オーバドゥ副社長(以下、ブラウン):典型的なパリ発ブランド。レースやカラー、ディテールにこだわったフランス的なランジェリーでありつつ、フィット、サポート、快適さ全てを兼ね備えている。一度試着したら、たちまち恋に落ちるランジェリーだ。

WWD:「オーバドゥ」の主要価格帯とターゲットは?

ブラウン:日本ではブラジャーとショーツで約3万円。安くはないが、試着してもらえればその魅力が分かってもらえるはず。「高級だから私には関係ない」と思わないでほしい。年齢や体形問わず、全ての女性の美しさを引き出すランジェリーだから。主要のターゲットは30~40代の女性だが、若い層にもアピールしていきたい。

WWD:「オーバドゥ」の魅力をどのように消費者に伝えているか?

ブラウン:下着という商品の性質上、デジタルにおける表現の制限などが多く困難だが、デジタルコンテンツの充実を図っている。フィルターがかからないインスタグラム映えするビジュアルは何か、デジタル表現は何か模索し続けている。デジタルと連動した雑誌も作成している。

WWD:美しい白黒のキャンペーン・ビジュアルで知られているが?いつキャンペーンをスタートしたか?その効果は?

ブラウン:1992年に“誘惑のレッスン”としてスタートした。初回のレッスン1がフランス国内のバス停やビルボードに登場した際は、交通事故が多発したほど。それくらいインパクトがあった。売り上げに直接反映されたキャンペーンもある。フランス独特のウィットに富んだフランス語のフレーズで“誘惑のレッスン”を表現してきたが、多言語に訳すとその意味が全く別物になる。だから、今年からキャンペーン名を“誘惑のレッスン”から“「オーバドゥ」を話しますか?”に変更した。このキャンペーンを通して「オーバドゥ」のDNAを保ちつつ、消費者とコミュニケーションを取っていくつもりだ。

WWD:企業としてのオーバドゥの規模とマネジメント体制は?

ブラウン:6ブランドを傘下に持つスイスのカリダ・グループの傘下だが、独自のマネジメント体制だ。パリ本社でデザインやサンプル制作等を全て行っている。

WWD:何カ国で販売しているか?今後、強化したい市場は?

ブラウン:約35カ国で販売している。注力したい市場は、日本、ドイツ、イギリス、それに次ぎロシアやアメリカだ。

WWD:売り上げトップ3の市場は?

ブラウン:1位がフランス、2位がドイツ(オーストリアおよびスイスのドイツ語圏を含む)、3位が日本、それに続くのがイギリスだ。

WWD:生産はどこで行っているか?

ブラウン:商品のデザインから企画、サンプルの作成などは全てパリ本社だが、生産はチュニジアの自社工場で行っている。ほぼ毎週、本社からスタッフが生産指導や品質管理に行っている。工場に状況によっては下請け工場を使用することもある。

WWD:日本は欧米の市場に比べ特殊だが、日本における戦略は?

ブラウン:日本市場は大きな可能性を持っている。長年のパートナーである栄進物産と今後、市場をさらに拡大するために何が必要か話し合っていく。コミュニケーションや商品のラインアップに関しても強化していきたい。

WWD:「ユニクロ」や「ギャップ」などアパレル企業による下着市場の参入についてどう思うか?

ブラウン:価格帯も違えば商品展開のアプローチも異なる。彼らの消費者に対するアピールは強力だ。われわれは、クリエイティビティーに基づいた商品の魅力および快適なフィッティングで消費者にエモーショナルな価値を提供していくつもりだ。「オーバドゥ」が誘惑する対象は世界中の女性。「オーバドゥ」を試着した女性は、たちまち恋に落ち顧客になる。そんな特別感を与えられるランジェリーを提供するのがわれわれの役目だ。

WWD:競合のブランドは?

ブラウン副社長:全てのフランスのランジェリー・ブランド。「オーバドゥ」はフランス発ナンバーワンのランジェリー・ブランドであるべきだと思うから。

WWD:60周年を記念した商品やイベントは?

ブラウン:記念ラインの“フェム オーバドゥ”はベストセラーだ。ブランドのアイコニックなタトゥー効果のある“ストリング ビジュー”も記念商品。イベントは東京でのプレスイベントを始め、パリやベルリンでもプレスやブロガーを招待して行った。来年にはファッション・デザイナーとコラボレーションした商品が登場するから楽しみにしていてほしい。