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インスタで人気爆発の水着ブランド テラハ出身デザイナーが語る”アパレルらしくない”売り方

 水着ブランド「アリシアスタン(ALEXIA STAM)」が絶好調だ。2018年は4~7月に東京(表参道、新宿)、大阪、名古屋、福岡の5カ所でポップアップストアを開き、表参道は10日間で9300人、大阪は14日間で7000人を集めた。デザイナーである山中美智子は、「アリシアスタン」を手掛けるEXJの最高経営責任者も務めている。山中といえば、14年7~9月にフジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演していたことを記憶している人も多いはず。あれから4年、「水着ブランドで食べていけるの?」「こんなに面積の小さな水着、日本で誰が着るの?」といった周りの声をものともせず、山中はブランドを着実に成長させていた。

WWD:4年前に比べて、売り上げ規模や客数はどれくらいになった?

山中美智子(以下、山中):テレビに出た直後の方が集客は多いものかと当初は思っていましたが、ポップアップストアに来てくれるお客さまもインスタグラムのフォロワーも、今の方が伸びています。15年5~7月に原宿の商業施設で行ったポップアップストアと比較すると、今年のゴールデンウィークに表参道で10日間行ったポップアップストアの売り上げは約8倍になりました。知ってもらったきっかけはテレビだったと思いますが、知っていることと、ブランドを好きになってもらうことは違います。中身が伴っていないと好きにはなってもらえないと思う。

WWD:好調の要因は何だと思う?

山中:「『アリシアスタン』はインスタグラムでの拡散に強い」とよく言われますし、自分たちとしても力を入れています。画面をパッと見た時に分かりやすくすてきだと思ってもらえるものを作ることが大事です。同時に、写真を投稿するのにベストなタイミングを考えたり、投稿した時にどんな反応があるかを分析したりといったことを細かく行っています。うちはモノを売るというより、コトを売るという意識が強い。「アパレルはもうからない」って今はよく言われますが、「うちってそもそもアパレル業なんだっけ?」という気分です。普通のアパレルメーカーって、商品を買ってもらったらそこで終わりですよね。でもうちは買ってもらうところが始まり。買った後に旅行に行ったり、そこで写真を撮って友達とシェアしたりといったことの方が大事だと思うから、そういう“楽しみ方”をインスタグラムを使って発信しています。昔は“長く使える商品”にはお金を出すというのが普通の考え方でしたが、今はハロウィンとか旅行とか、非日常のものにこそお金を使いたいというようにみんなの気持ちが逆転している。それもうちにとっては追い風かな。水着のハイシーズンである今は、ブランド名のハッシュタグが付いた投稿が土日だと一日で100件はインスタグラムにあがってきます。ポップアップストアでも、いかに楽しんでもらって写真を投稿してもらうかがカギなので、どこを撮ってもかわいく映るように会場を作り込んでいます。

WWD:SNSの運営について気を付けていることは?

山中:インスタグラムは「身近なところが魅力」みたいに言われることも多いですが、やっぱり憧れじゃないといけないと思っています。元々インスタグラムって、海外セレブの生活をのぞき見できるみたいな点で人気が出たものだから、単に身近なだけで非現実感が全くなくなってしまったらなんだか違う。ブランドの公式アカウントには海外のモデルを起用した写真を載せて、「私もこれがやりたい」「こんなビーチに行ってみたい」と、みんなの想像が膨らむように世界観を作り込んでいます。一方で、私の個人アカウントは、「こんな感じにすればすてきな写真が撮れるよ」といった、ちょっとしたお手本みたいな感じになればと思って投稿しています。