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「ケンゾー」が野生トラを救う 保護支援のためのカプセルコレクションを発表

 「ケンゾー(KENZO)」は21日、野生のトラの保護を支援するためのカプセルコレクション“レア ストライプス(RARE STRIPES)”を発売した。同コレクションは若手アーティスト4人とコラボレーションしたもので、売り上げは世界自然保護基金(WWF)のトラ保護プログラムに全額寄付される。当面はギンザ シックス(GINZA SIX)店のみでの取り扱いとなる。

 野生のトラは世界に約3000頭しか生息しておらず、絶滅危惧種に指定されている。シンガポールのビール会社タイガービール(TIGER BEER)とWWFが、2022年までにトラの生息個体数の倍増を目指したプロジェクト「ティーバイツー(Tx2)」の一環として「ケンゾー」に同コレクションの制作を依頼した。

 WWFのマイケル・バルツァー(Michael Baltzer)=トラ保護プログラム リーダーは、「若者に関心を持ってもらうにはファッションを媒介にするのが有効だと考えた。その中でも世界的に認知度が高く若者にファンが多い『ケンゾー』は、今回の目的にピッタリだと思った」と同プロジェクトへの参加を打診した理由を説明した。

 同コレクションでは4人の若手アーティストがそれぞれ異なる実在のトラを題材として与えられ、そのトラにまつわるエピソードを学び、そこから得た知識や思いをデザインに落とし込んだ。「ケンゾー」のクリエイティブ・ディレクターを務めるウンベルト・レオン(Humberto Leon)とキャロル・リム(Carol Lim)の2人がメンターとして若手アーティストらに直接指導。キャロルは、「彼らはデザインをウエアに落とし込んだ経験がないので、色使いや刺しゅうに関して具体的にアドバイスした」と話す。

 「ケンゾー」のアイコンともいえるトラのモチーフについて、「昔からトラのモチーフは使用されていたが当初は裏地やタグなど、ワンポイントとしてしか使われていなかった。われわれがアーカイブから引っ張り出して大きく使うようになってからは、今ではブランドを語る上で必要不可欠なモチーフになった」と2人は語った。

 また、「もともとトラの保護に関心があって調査を始めていたところだった。WWFと協働する方法を模索していたところに、タイガービールからこの素晴らしいプロジェクトを持ち掛けられてとてもうれしかった」とキャロルは説明する。

 2018-19年秋冬コレクションを発表後にカンボジアへ赴き、かつてトラが生息していた環境を視察したというウンベルトも、「私には子どもがいて、トラが野生に生息していることを知っていてほしいから、個人的にこのプロジェクトをとても大切に思っている。カンボジアにはこのプロジェクトを通して5頭のトラを還すことが目標だ」と話した。今後もWWFと協働していくという。

 野生のトラが減少している理由はさまざまだが、密猟も大きな原因で、ハンターからトラを守るレンジャーの育成が急務だという。しかし、労働時間や場所、賃金など、その環境は過酷だ。今回のプロジェクトで寄付された資金は、レンジャーの教育や環境改善にも充てられるという。