ファッション

「ルイ・ヴィトン 」2014-15年秋冬パリ・メンズ・コレクション 

REPORT

デジタルエイジを生きるコバルトブルーの旅人たち

これまで、キム・ジョーンズ=「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」メンズ・スタイル・ディレクターは、生まれ故郷のアフリカや大好きな日本、ヒマラヤなど、実際に自身が旅し、滞在した特定の地域からインスピレーションを得て、コレクションを組み立ててきた。それは、「ルイ・ヴィトン」が「旅」をアイデンティティとするブランドだから。だからこそ今回も、彼は南米ペルーなどを旅し刺激を得てきたが、2014-15年秋冬メンズは、それだけがイメージ源とはならなかった。

今回、キムが一番インスピレーションを得たのは、ウェブ上でのヴァーチャルな旅行だ。実際彼は、NASAが宇宙空間から撮影したペルーのマチュピチュ遺跡やナスカの地上絵、クスコなどを見て、それから現地を訪れたという。

そこで、キムは今シーズン、伝統的な高級素材に最新の技術や、今まであまり登場しなかった色使いなどを搭載。ニードルパンチでかすれたボーダー柄を描いたラグランスリーブのコートや、テクニカルシルクとブラッシングしたカシミヤをボンディングしたリバーシブルパーカ、チンチラのライナーをあしらったシルクのトレッキングパーカなど、「ルイ・ヴィトン」だからこそ手に入るし使うことができる高級素材を、最新技術で意表を突くアイテムに落とし込んだ。

意表を突いたのは、コバルトとターコイズ、ミッドナイトブルーを主軸としたカラーパレットも同様だ。宇宙空間から見た地球の色なのか、それともデジタル時代をイメージさせるカラーパレットなのか、鮮やかなブルーは、今シーズンのキーカラーに。水ヘビのラップブルゾンやアンゴラのブランケットセーター、アルパカのストライプコートなどに多用したほか、偏光サングラスもブルー色に見える。鮮やかな青は、ブランドにとってアイコニックな市松模様「ダミエ」にも使われた。黒に次ぐダミエの新カラーは、コバルト。メタルハンドルのトートやジムバッグのようなボストン、マチの薄い折りたたむクラッチバッグなど、様々なアクセサリーに用いられている。

ヴァーチャルの旅というアイデアはもちろん、スーツをシワになりにくいウールモヘアでコンパクトに作るなど、コートやブルゾンなどに用いたブランケット以外のほとんどに手を加え、イメージを刷新した。メガブランドでここまでリスクを張ったクリエイションに挑戦したのは、称賛すべきこと。そして、コバルトブルーとスーツのシルエットは、ブランドにとっても、ファンにとっても挑戦したい新しい色やアイテムにまとまった。

ルイ・ヴィトン 2014-15年秋冬パリ・メンズ 全ルック

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LOOK

FRONT ROW

「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」2014-15年秋冬メンズでは、ウィル・スミス(Will Smith)やリリー・アレン(Lily Allen)らの多くのセレブリティが来場した。スミスは「ルイ・ヴィトン」のライトグレーのスーツにブルーのジップアップトップを着用。イギリス人のラッパーであるタイニー・テンパー(Tinie Tempah)は「ラベンハム(LAVENHAM)」とコラボレーションした自身のストリートウエアブランドの「ディスタービング・ロンドン(Disturbing London)」のジャケットと「ミッチェル&ネス(Mitchell & Ness)」のキャップ姿で登場。同ブランドの2014年春夏のキャンペーンに登場したベルギー人俳優マティアス・スーナール(Matthias Schoenaerts)を始め、中国人俳優のチャン・チェン(Chang Chen)らもフロントローに姿を現した。

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